サギと烏


白と黒が交差する
その瞬間を見た

おや烏
君はあっちへ行くんじゃなかったのかい
白に混じって
サギと同じ道を進むものだとばかり

おやサギか
君はそっちへ行くのかい
黒に混じって
烏と同じ道を進むものだとばかり

色が真反対の君たちは
進み行く道も反対なんだね


ねぇ烏
それは詐欺だよ
飛ぶ方向も惑わせるなんて
誰だか分からなくなってしまう

君は誰なんだい



白と黒が交差する
その瞬間を見たんだ

おやサギか
君はどこへ行くんだい
黒に混じって
同じ道を進むのかい

おや烏
君はどうするんだい
白に混じって
同じ道を進むのかい

色が真反対の君たちは
一体どこへ進み行くんだい?


ねぇサギよ
叫んで声を嗄らす
満足がいくまで鳴いて
何もかも分からなくなるほどに

君は何なんだい



烏よサギよ
君たちは何者だい
どこまで僕を振り回すつもりだい

いつか答えを教えてくれよ
あの夕暮れの晩夏道で
今日も君たちを待っているから

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