叶わない望み

終わらないで
どうかこのまま

感じていたい
入り込みたい

終わってしまえば
いつか忘れる
記憶の彼方に
消えていく

一週間
たった一週間で
この感動さえも
なくなってしまうのか

そんなことはつゆ知らず
記憶はあっという間に薄れていく

刻み込んで大切にしたいのに
余すことなく抱えたいのに
両手じゃ足りないんだ
持ちきれずに寿命が終わって
どんなに大切な思い出だって
すぐに奪っていってしまう

記憶は残酷だ


のうのうと時空を飛び回って
姿を見せないその概念は

常に目を光らせて
こちら側を見張っている

人間がいるこの空間は
たった一つの存在に脅かされている

その姿はさぞ滑稽だろう

そんなことはつゆ知らず
時間はあっという間に流れていく

もう支配なんてされたくないのに
この囲いから逃げ出したいのに
力が足りないんだ
どんなに練った抵抗だって
効かずに終わって
そいつからすれば痛くもかゆくもない

時間は最低だ


この世には
叶わないことが溢れすぎてる