サマーゴースト


髪を引かれた
くるくると弄ぶ
無造作に跳ねた髪は
歩けばゆらゆら

手を引かれた
ほらほらと導かれ
繋がれたその結び目は
歩けばぶらぶら

ねぇ
そこにいるんでしょう
見えない姿をした君が
僕のすぐそばに

暖かく見守ってくれる君は
僕にとって永遠のサマーゴースト
夏は過ぎても
君はずっと近くにいる

本当に?




風が流れた
さらさらと木が揺れる
風に舞った葉は
遠くへひらひら

雨が流れた
ぽつぽつと地を叩く
延々と降り続く水は
今でもぱらぱら

ねぇ
そこにいるんでしょう
早く姿を見せてくれよ
僕の前にほら

ねぇ
本当にいるの?
疑ってしまうよ
僕の不安を消して

お願いだよ



君はサマーゴースト

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