桃源郷


キャンパスの色を見て僕はびっくり
これで終わり?

真っ白なそこに咲く淡い色は
刺激が足りない人生のようで
何か物足りなかった

色を乗せよう

まずは地面だ
風に揺れる短い葉を
ゆらゆらと踊るように

次は明るさの象徴
大地の色と似ても似つかない
この草原を鮮やかに照らしておくれよ

キャンパスに命を吹き込もう
すり減ったイーゼルは知らんぷり
毛先が割れたこの筆も
薄汚れたパレットもだ

さぁ次は清らかさを
山の上から筋をいくつも
成長の女神だ
少し濃くしたら一面を飾ろう

始まりの色を空に馴染ませて
ときには正反対を少し混ぜて
世界は明るいだけじゃない


絵は生まれ変わった
パステルが彩る世界とはまるで違う
正反対とも言っていいほどの
2つの異なる美しさ

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