きっと君は古びた人形


感じたんだ
分かってしまった
君には追いつけない
追いつこうとも思わない
それほどのパワーを
君は持っている

ただ眺めるだけ
じっと見据えて感嘆の息を漏らす
僕には計りきれないほどの意味が
きっとそこには込められている

微妙な気持ちで
複雑な面持ちで
もう満足だって笑えるときまで
僕は君を眺めている
もちろん感動の方が勝るけれど
分からない傷だって確かに在るんだ

嘆賞だけじゃない
そんな作品は存在しない
いくらかの穢れを引きずっているから
美しいんだ

君だって少し
ほんの少しだけの傷を背負っているから
それを乗り越えようとする姿が美しいんだろう

もし傷ひとつないまっさらなものに出会ったら
僕たちは何を思うだろう
きっとそれには色がなくて
確かな感情も持たないだろうね

人形のようだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?