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#0007 『図解労務入門』をなぜ書いたのか?

人事とは労務と人材マネジメントからできている労務とは一所懸命に働く全ての人を公平に遇して「いたわり、ねぎらう」こと。人材マネジメントとは事業が勝つため不公平に「才能に投資する」こと。

坪谷邦生・岩田佑介・古茶宏志『図解 労務入門』より

おつかれさまです。坪谷つぼたにです。

ディスカヴァー・トゥエンティワン社より『図解 労務入門』を2024年8月23日に出版します。Amazonでの予約開始は本日(2024年7月11日)からです。

ここでは、当書をなぜ書いたのか、その執筆動機をお伝えします。


坪谷邦生・岩田佑介・古茶宏志『図解 労務入門』※表紙デザインは変更となる可能性があります

なぜ書くことにしたのか?

私は、2年前から次世代の人事のプロフェッショナルを育成するために『壺中人事塾』という塾を運営しています。塾生は様々な規模・業態の企業の経営者・人事責任者・人事担当者の方々です。

その中で、塾生の人事責任者の方は「労務」領域で苦労されていることが多いことに気がつきました。本質的な「人材マネジメント」に取り組みたくても、土台である「労務」の問題で躓くと、人事は何も進めることができなくなります。私もその葛藤に何度も向き合うことになりました。

塾生の古茶宏志こちゃひろしさんは当時、社会福祉法人の人事責任者になり、はじめて労務を受け持つことになりました。しかし労務領域への理解不足から、労務担当メンバーとコミュニケーションがうまくとれず苦しんでいました。人材マネジメントを得意とする古茶さんの話は、労務担当メンバーからすると抽象的で掴みどころがないように聞こえてしまっていたようでした。
それを助けてくれたのは、同じく塾生の金土太一こんどたいちさんでした。金土さんは、労務出身の人事マネジャーで、古茶さんに労務の視界から的確なアドバイスをしてくれたのでした。

「真の人事のプロフェッショナルであるためは、労務の視界を持たなければならない」と私は痛感し、人事に向けた「労務の入門書」を執筆することを決めたのでした。

坪谷邦生・岩田佑介・古茶宏志『図解 労務入門』の構成

私は、これまで『図解人材マネジメント入門』『図解組織開発入門』『図解目標管理入門』という人事の入門書を書いてきました。複雑なものを体系的にわかりやすく伝えることが私の強みです。しかし「労務」は、私ひとりでは太刀打ちできませんでした。知っておくべき法律も多く、1つひとつの業務に求められる専門性がとても高いからです。

どう取り組むべきか悩んでいたとき、岩田佑介いわたゆうすけさんと出会いました

岩田さんは社会保険労務士として第一線で活躍されている方です。以前からその著作『ベンチャー・スタートアップ企業の労務50のポイント』は拝読し感銘を受けていました。そして人事仲間の中でもよくお名前を聞いていました。「坪谷さんが人事としてやろうとしていることを、労務で実践しようとしているのが岩田さんだ」と。前出の古茶さんが、その岩田さんと知り合いだと聞き、早速3人でお話しすることになりました。

意志をもって動き続けていると、必ず意志をもった人と出会う

この時間はまさにそんなご縁を感じる瞬間でした。2023年6月、たった1回のオンラインの打ち合わせですっかり意気投合し、3人で共同執筆することが決まりました。リアルでお会いして全体の構造を一緒に考えた上で、岩田さんが本文の案古茶さんが図の案を書き、坪谷が編集して体系化するという役割分担で進めました。

2週間ごとの定例会、そして女神湖のほとりでの執筆合宿、どのシーンも学びと笑いに溢れていました。書籍が完成した今、終わってしまったのが寂しいくらいです。

どんな思いで書いたのか?

労務の仕事は「具体的なやり方」に焦点が当たります。勤怠管理や給与計算などの業務、法改正への対応、時流に沿ったテーマ(ダイバシティやハラスメント)などです。そして経営から降ってくるテーマ現場で起きた問題に都度対応していくことも大切です。

しかし、それだけでは果てしなく続くモグラ叩きのような状態になってしまうのではないでしょうか。これからの自社にとって何が大切なのか、先手を打って体制を整えていくべきだと私たちは考えました。 そのためには、労務の知識を体系的に、原則とともに理解すること、そして最新の知識を手に入れる方法を知っておくことが必要です。

当書は、労務を「体系的にわかりやすく」理解できて「あなたが実践できる」ことを目指して執筆しました。『図解人材マネジメント入門』『図解組織開発入門』『図解目標管理入門』に続くシリーズ4作目ですが、それぞれ独立していて、どこからでもお読みいただける仕立てです。

どうか、あなたのお役に立ちますように。

私のお伝えしたいことは以上です。



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