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#0013 攻めの人事?守りの人事?ー人材マネジメントと労務の違いー

お疲れ様です。坪谷つぼたにです。

攻めの⼈事?守りの⼈事?

⼈材マネジメント(HRM)を「攻めの⼈事」、労務を「守りの⼈事」と表現されることがあります。感覚的にはわかるのですが具体的に誰が何を攻めて(守って)いるのか、今ひとつピンときません。

⼈材マネジメントと労務はどちらも⼈事の仕事です。⼈事である限り「⼈を⽣かして事をなす」という原則は同じですが、実務の上では⼤きな違いがあります。いったい何が違うのでしょうか。

労務はいたわり・ねぎらう

労務は、働く⼈を守る企業の「義務」です。⼀所懸命に働く⼈すべてを労り(いたわり)労う(ねぎらう)のが労務です。 そのためには役職の違い、年齢の違い、成果の違いなどで差をつけず⼀律「平等」に処遇する必要があります。

人材マネジメントは才能に投資する

⼀⽅で、⼈材マネジメントはHuman Recourse Management、⼈の才能に投資して組織として成果をあげる⼿法です。すべての⼈に満遍なく同じように⾏っては投資になりません。中⻑期で組織の成果につながると思われる⼈に集中して投資し才能を伸ばしていく必要があります。誤解を恐れずに⾔えば「不平等」に偏らせて遇することが、⼈材マネジメントの前提となるのです。その偏りの持ち⽅は企業によって異なる「⽅針・ポリシー」となります。

図解 労務入門』より

労務は生活を守る、人材マネジメントは市場を攻める

⼀所懸命に働くすべての⼈(労働者)が⾟い思いをしないよう組織が「守る」⼿法いたわりねぎらう(平等に遇する)⼿法が労務です。そして特定の⼈材を優遇して投資する(不平等に扱う)ことによって、組織が市場を「攻める」⼿法成果を勝ち取る⼿法が⼈材マネジメントだと⾔えます。

⼈事とは「⼈を⽣かして事をなす」 。この原則に従って、労務と人材マネジメントを分解するとこうなります。

労務は、をなす(⼀所懸命働く)たちを⽣かす(⽣活を守る)

⼈材マネジメントは、をなす(成果をあげる)ためにを⽣かす(才能を活⽤する)

労務と⼈材マネジメントは⼈事を構成する2⼤領域です。どちらが⽋けても⼈事は成⽴しません。 労務がなければ、⽣活が脅かされて健全に働くことができず、秩序が乱れて企業の根幹が揺らぎます。投資をしている場合ではありません。これまでの投資も無駄になります。 ⼀⽅で⼈材マネジメントがなければ、事業に必要な⼈材が育たず、企業は勝つこと(成果をあげること)ができません。勝てない企業は存続できず、結果的に働く⼈の⽣活を維持できません。

以上は、2024年8月23日発売の『図解労務入門』に記載した内容の一部です。労務について学びたくなった方は、ぜひ読んでみてください。

図解 労務入門の構造

人材マネジメントについては『図解 人材マネジメント入門』をどうぞ。

図解 人材マネジメント入門の構造


私のお伝えしたいことは以上です。

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