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#4 誰でも読めるMTG英語 間違えやすい up to

counter と counter

さて、今回のカードはこちら

《クアンドリクスの命令》

Choose two

この2単語や、カード名からも解るように
4つの効果から2つを選んで使う、命令サイクルの呪文の1つですね

ですが、真ん中の2つの効果に妙なものが見えます

Counter target artifact or enchantment spell.
• Put two +1/+1 counters on target creature.

同じ「counter」の単語が入っているのに
上の文では動詞で、下の文では複数形なので可算名詞になっています

いったい、どんな違いが……

なんて、MTGプレイヤーには愚問ですよね

名詞の「counter」は、カードに乗せて何かを数えてる「カウンター
動詞の「counter」は、そのまま考えると「反撃する」になりそうですが
「無効にする」という意味もあるので、MTG的には「打ち消す

仮に動詞と名詞の判断を間違えても、文脈で解りそうですね
ちゃちゃっと他の単語も訳してみましょうか

まずは、打ち消しの方から

• Counter target artifact or enchantment spell.

「target」とあるので「対象」にとってますね
「spell」が「呪文」なのは前回やりましたし、打ち消すんだから妥当ですねさて、それがどんな呪文かというと

「artifact or enchantment」

「artifact(アーティファクト)」はそのままですね
「enchantment」は知ってそうで知らない単語ですが
「spell」とある事から、ほぼ間違いなくカードタイプを指す言葉
で、あるならば「エンチャント」と訳して問題なさそうです

続いて、名詞の方のカウンターの文

• Put two +1/+1 counters on target creature.

「Put」と「on」があるので、何か「の上に」何かを「置く」のでしょう
「on」の後は「target creature」で「対象のクリーチャー」
「put」の後の「two +1/+1 counters」は「2つの+1/+1カウンター」

あとは、塊ごとに後ろから読んでいくだけですね


up to

続いては、厄介そうな1番下の文

• Target player shuffles up to three target cards from their graveyard into their library.

「Target player」なので、「対象」にとってるのは「プレイヤー」
「shuffles」も、文の最後に「library(ライブラリー)」とあるので
シャッフル、つまりは山札を「切る」事でいいでしょう

「up to three target cards」は難しいので後回し
「target cards」から「なんかカードを対象にとった」ことさえ解ってれば、文の続きは訳せそうですね

その後には「from their graveyard」
「from」とあるので場所の話なのは間違いなさそうです
「graveyard」は「墓地」のこと。
MTGはゾーンが少ないですから、この英単語を知らなくても辿り着けそうです
墓地を持つのはプレイヤーですから、この「their」が指すのは最初の「target player」でしょう
「from their graveyard」の前には「up to three target cards」があるので
『対象の墓地から、対象にとった何かカード』がある事までは解りました

では、次の「into their library」
さっきの墓地と同じ要領で「their library」は「そのプレイヤーのライブラリー」
「into」は「中へ」なので「そのプレイヤーのライブラリーの中へ」

つまり、全体を大雑把に訳すと
『対象のプレイヤーの墓地から何かカードを対象にとって、それをライブラリーの中へ加えて切り直す』と、なります
これを「加える」という動詞なしで表現できてるのが面白いですね


では、残ってる問題の「up to three target cards」をちゃんと訳しましょう
「対象とした3枚のカード」はともかく「up to」は馴染みがありません

実はこれ「~まで」、つまり上限値を表す「最大」と訳します

普段ならここで『文脈から何となく~』みたいな事を言いますが
これは絶対に覚えた方がいいです

何故なら、もしこれを文脈から読もうとすると
「3枚以上のカード」と、全く逆の意味になる危険性があるからです

ちなみに「以上」の場合のテキストは、必ず「more」と入っているはず
(追記 :「greater」の場合もありました)
どちらかの意味さえ覚えれば大丈夫ですが、それもなかなか難しい

少し違いますが、和製英語のタイムアップ。正しい英文だと「time is up」
それの意味する「時間切れ」なんかを、「時間の限界値を迎えた」
そう解釈すると「up to」と「上限」は結びつきやすいかと思います


return

もう1つ、最初の効果が残ってましたね

• Return target creature or planeswalker to its owner's hand.

「target creature or planeswalker」を「Return」するようです

「its owner's」は、そのまま「そのオーナーの」
「hand」もMTGなら「手札」の一択ですね
「to」から始まってることも考えて纏めると
「to its owner's hand」は「そのオーナーの手札へ」

すると「Return」という動詞は「戻す」ですかね
「target creature or planeswalker」は、もう解りますね

……そういえば手札に戻す動詞って「bounce(バウンス)」じゃないんですね
まぁ英単語の意味を考えれば納得ですが

おまけのhomework

訳し足りないアナタの為のカードはこちら

《ベイロスの虚身》

今回と#1で出てきた表現のみで構成されたカードです

落ち着いて文節を見極めれば、きっと貴方なら解けるはず

それでは、また次回

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