繭の中
見えているのに見えないふりをし続けたものだから、
今日こそ大事に抱えた憧れを
どうにかあなたへと伝えようと
この凍て付く曇天の下
今舞い落ちた雪の結晶を一口を舌へと落とし
溶ける前にあなたへと歌う
雪の結晶は疑うことなく鼓膜は鼓膜へ
確かにあなたが求めた今そこにある希望
あなたは誰かに愛されていると
氷雪の枝の先で
輝く繭の中で
また出来損ないだった頃の
形なんてなかった頃の
繭の中で踊るあなたは
やっとその羽を広げて
私とともに歌い出す
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