見出し画像

足元に気をつけて

夜の雨の音は落ち着く
自然の開花に乗せて
人の営みを寄せて

車の車輪が雨の中を泳ぎながら
雨の音を掻き消しながら
家路に主人を届ける飛沫に耳を澄ませる

一雨毎に桜を散らし
草を繁らすその一粒

夜の雨は失った物の重さを軽くする
その悲しみは雨音に乗り

またゆっくりと空へと帰る

そして私の目の前には
生い茂る小さな若葉たち



 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?