受験をする子にもしない子にも意味のある授業

私の勤務する小学校では、クラスの半数近くが中学校受験をします。
当然その子供達にとっては教科書レベルは全て知っていることであり、授業は退屈でしかありません。

どうにかして、全ての授業は無理にしても少しでも、受験する子供もしない子供にも興味が持てる、意味のある授業ができないものかと考えていました。
そうして考えついたのが、自分でも大切にしている基礎基本の徹底でした。
改訂のたびに熱くなる指導要領。
指導要領をこなすことで、身につかない基礎基本。
そのため、ついてこれない子供達の増加。

であるなら、無理に指導要領が求めていることを全部やるよりは、指導要領のちょっと難しいかなという部分は触れるだけにして、あとは基礎基本の徹底に充てた方が良いのではないかと考えました。

で、何を始めたのかというと

  1. 計算練習

  2. 漢字の定着

です。

1.計算練習は100マス足し算・100マス引き算・100マス掛け算・100問割り算・100問計算ランダムのプリントを用意しました。
本校では、週三日朝学習の時間が15分間設けられているので、その時間で子供たちは自分がやりたいプリントを選び取り組みました。
計算の早い子供は複数枚に取り組んでいました。

100問計算ランダムは、エクセルで自作したもので2桁+2桁・2桁ー2桁・2桁✖️1桁・2桁➗1桁の順で数字がランダムで変わるものです。
1年間取り組んでいくと、この100問ランダムは8割型の子供が10分で終わるようになります。

ここまでやらせた結果、市の学力状況調査では他クラスよりも算数の平均点で10点以上高くなっておりました。1年間は教科担任制で私ではない先生が算数を持っていたので、授業の進め方には寄らないと考えられます。

テストの点数が全てではないとは思いますが、計算が早くなることで正答率や複雑な計算にも気兼ねなく取り組めるようになり、算数に取り組む力や考える力の向上につながったと考えられます。

悪意のある先生からは、「あれだけやらせれば当然でしょ」と言われましたが・・・。
校長もいい顔をしませんが、結果が出ているので強く否定もされていません。

長くなってしまったので、漢字の実践については次回にしようと思いますが、まず算数においては基礎基本の定着をすることで、そのほかの単元にも影響が出てきます。
現在の指導要領では、授業ないでそこまでの時間の確保はできません。

であるならば、指導要領の内容を端折ってでも、基礎基本の定着に時間をとってあげることが、躓きを減らし学習への意欲を養っていけるのではないかと思います。


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