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37【恋愛小説もどき×親友との思い出】

ぽにの家に遊びに行くと
たいていそのままお泊りコースになる
ぽにのママは私の顔を見ると
泊まっていき~と言ってくれて、
私の母に連絡をしてくれる
夕食とお風呂を頂いて、
その後は夜までずっと
ぽにが絵を描いていたり
私が本を読んでいたり
各々の過ごし方をする
そして、最後はぽにの布団で一緒に眠る

ところが、
今日はなぜか、ぽにの布団と並んで新しい布団が敷いてある

「今日はあんた、こっちやで」
先に自分の布団に入ったぽにが
新しい布団の方を指さしながら言った
「えー、一緒に寝ようよ、睡眠の邪魔はせえへんから」
と言ってぽにの布団に潜り込んで、くっついた

「いや邪魔やで、ほんでおっぱい当たってる」
と言って、ぽには体を反対に向けてしまった

私はぽにの言葉に、冗談で返す余裕も能力もなかった
自分が「邪魔」と言われたような感覚になって、
ぽにの言葉に、まっすぐに傷ついてしまった
この時知った
言葉は、発した瞬間に受信した者の持ち物になる

ぷつん

涙腺が崩壊した
涙がとめどなく溢れる
私は無言でぽにの隣に敷いてある布団に入った
涙といっしょに鼻水も出てきたので、途中何度も鼻をかんだ
ぽには泣いている私を無視した

ぽにに悪気はない
分かっているのに、なんでこんなに胸が痛むんだ、、、

最近家族の形が変わったことで
私のこころのキャパ8割を
寂しさが占拠するようになっていた
そういう時は
普段気にならないような些細なことが
ボディーブローのように、じわじわ効いてきたり
ネガティブ要素になったりする

きりんさんの言葉で、感情に蓋をしたこと
元カレの恋を心から応援できないこと
私の知らないぽにがいて、
得体の知れない不安があること
がんばらないといけないプレッシャー、、、

自己分析している間に、いつの間にか朝が来た
目を開けると、ぽにの安らかな寝顔が目の前にあった
ぽには布団と布団の間に寝ている

笑ってしまった!
一緒に寝ないって宣言したから、
気になりながらも、
私の布団には入ってこなかったんやな、、、

ぽに、言ってなかったけど、
最近すてきな出会いがあったんやで
精神レベルが高くて、賢くて、センスが良くて、面白くて、おまけに料理も上手くて、、、
初めて自分から仲良くなりたいって思った子がおったよ
でも、、、

「ステージが違うと一緒にいれなくなるんやで
 ぽにとはもうステージが違う、離れた方がいい」

そんなことを言われたから、
それ以来その子とは距離を置いてしまっている

ぽにがグーの手で自分の頬をさすった
ねこみたいで、かわいいな

‘’ なんの気もない その単純な 君の仕草が 私を照らす
 さまよってる日々のこと 許してしまう
    淀みの中 うまれたのは‘’
『ピノ』ズーカラデル

ステージか何か知らんけど、私はぽにと一緒にいたい
何をしているのか、知らなくていい
言わないなら、何も聞かない
暴れん坊のぽにのやること、全部ぜんぶ私は受け止めるから
大丈夫
私はこれから大きな器になるから
















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