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お前何のためにポケカやってんの?

誰かに言われた訳ではないですが、ずっと僕が僕自身に問いかけてきます。

こんにちは、さいじょうです。
僕は今年世界大会に出場する為にポケカをしているつもりでした。

これは独白。記事に意味はない。大義もない。
もう1人の自分が不意に問いかけるのだ。

あなたは何のためにやってますか?
友達と遊ぶため?
パックからレアカードを出す喜びのため?
好きなカードで勝つため?


2023年8月横浜、WCS会場にて妻に2024年はホノルルで世界だって!ホノルル行きたい!って言われたことから始まります。

僕はその日から妻をホノルルに連れてくためにポケカをやっています。
何でポケカしてんの?と聞かれたらそう答えますし、今シーズン1度たりともそこはブレてません。

シティリーグでは世界のボーダーになるであろう280ポイントを稼ぐ為に2回優勝+1回準優勝またはそれに準じる成績を出す為に活動してました。

僕は京都でポケカをしていますが、ジムバトルの戦績では決して上記の成績を叩き出せないと思い、シティリーグは京都、大阪を始めとした関西圏で参加するのを辞めて地方会場をメインに応募をしました。
結果として1度は優勝出来たものの、後は泣かず飛ばずでポイントでの世界大会出場は不可能になりました。
CL福岡、愛知と連続で当選しました。こちらはベスト4で世界大会への出場権が獲得できますが、どちらも2-3と勝ち越しすらできませんでした。
残す大会も6月のJCSのみです。

こんな成績の僕ですが、ホノルルが目標になったあの日から本気でポケカに取り組んできたつもりでした。
ジムバトルでの練習、リモート練習、PTCGLでの練習と、これまで趣味や友達との娯楽の一環で遊んでいたものから一変して全てホノルルの為に注いできたつもりです。

しかしシーズン終盤、僕が公式大会で負けることで僕自身と周りの熱が冷めていくことに気づいてしまいました。


昨年まではジムバで勝つことにも喜べたし、練習で勝つことにも喜べました。
シティで優勝した時なんか夢に近づいた!って感情が湧いて妻も僕を認めてくれました。
帰りの車の中、こう言う駆け引きがあって〜なんて話して妻はわからないなりに話を聞いてくれ誉めてくれました。
しかし最近は僕自身が負けることにも、勝つことに対しても喜べず、ジムバや練習が虚しく感じます。
何故ならそれは世界に繋がらないから。

シティで勝った時は妻も喜んでくれましたが、CL福岡、シティS3、CL愛知、シティS4と負けるにつき冷めていきます。

何故か、それはシティ、CLの遠征の度に旅費は僕が出すものの見知らぬ土地で妻に1人旅行を強要されるから。
妻は早く子供産みたいと言っていたが、僕のエゴに付き合わされてるから。
日頃の練習の度に家を空け、1人にさせるから。
1人で寂しい思いをするのなら妻にとってホノルルより今、この瞬間を大切にしたいのだ。

新婚旅行をイタリアにするという話でしたが、ホノルルに行きたい!ってなったので世界に行けたら新婚旅行の行き先がハワイになる予定でした。
金銭的面から片方しか行けません。

「JCS終わったらHISかJTBにすぐ行ってもらうから!」
本来は今年のゴールデンウィークにイタリアに新婚旅行行く予定でした。
しかし僕の趣味、エゴを優先するあまり妻の思い描く新婚生活を送れなかっただろう。

イタリアはジョジョ5部の聖地で2人で一部からアニメを見返しています。イタリアのここには行きたい!と言う妻。
僕は何でポケカやってるの?


僕はポケカの強い人に憧れていた。もちろん今シーズンに始まったことではない。
やることなすこと垢抜けて、デッキリストは輝いて見えた。
それを真似して使いもした。
強い人がこうだと言えば、流行りのリストも環境もそうなった。
僕もそんな人になりたかった。

しかし才能やセンスは望んだ人に平等に与えられるものではない。

僕は環境に応じて様々なデッキを100%の力で使いきれない。
その中で僕が1番使いやすく力を出し切れるデッキ『ロスギラ』に巡り合いこれを擦ることにしました。
一時期リザ、ロスギラのツートップで環境を席巻していましたが、今は見る影もなく環境から一歩引いたところにいます。
勝てないデッキではないですが、どの相手にも辛く以前以上に引きに左右されやすいデッキになってしまった。
前は握る人が多くデッキの構築、プレイングについて議論されたものですが、今僕の周りには握る人はおらず現環境における構築、プレイングを話せる人はいません。
そんなこと言ったらオリジナルデッキやtier4のデッキはどうなんだって話ですが、それは世界を目指すデッキではないので知ったことではない。

話が脱線しましたが、僕の経験と持ち味を活かすデッキはロスギラしかなく、これで勝つしか道はない。
例えルギア全盛期だろうとも。


新レギュレーションになり、CL福岡時点ではロスバレが優勢だったため、ロスバレに浮気しました。
しかし初動遅れると巻き返しが効かないケース、サイド取り合いながらゲームを進めないと行けないのに遅れた場合いつまで経ってもロストが貯まらないのが嫌になり結局ロスギラを使う事に。

環境や流行を見ながら別デッキを使う人に相談しても僕と見えてる景色が違う。
ロスギラから見える景色は過酷なものだ。
勝つため、楽しむためにやっている人はリザに移行している。
「こう言うところが辛いんだ」と問いかけても第一声が「別のデッキ握れば?」
別の回答が来たかと思えば、それは他のデッキのマークを浅くするリストの変更だったりだ。

自問自答を繰り返す。
「CLで勝ち越す程度ならこれじゃない?」「そのデッキ握るってことは、まさか2日目行くなんて考えてないよね?」「tier1から逃げるの?」と。

僕はCLはベスト4を目標としている。
勝ち越すことなど当然だと思っている。
それでなければ世界に行けないから。

アドバイスを求めてるはずなのにいつしか、「何故僕より実績のない人間に蔑まれなければいけないのだろうか。」と湾曲して受け止める自分に気付く。
幸いなことに気付くのに時間は掛からなかった。
ただ1人、妻はもう僕とポケカしてくれなくなった。
この思考が表情に滲み出てしまったのだろう。

僕は同志を探すためメンバーシップに加入しました。
「こう言う事で悩んでる」と言うとコミュ主は丁寧に返信をくれる。
しかし他のメンバーは静観。
僕はどんな意見でも欲しかった。議論して意見交換したかったのだが、これが基本のスタンス。
メンバーシップに入り、2ヶ月後のシティS4前にようやく議論できる人がメンバーシップ内に現れました。
今年入って1番嬉しかった。
同じデッキを使う人間同士で意見を交換できることがこんなにも有意義なんて。
これまでのポケカは孤独と苦悩しかなかったから。

しかし現実は甘くない。
CL福岡、愛知ではどちらも2-3
シティS3、S4は1-5と3-3

これが世界を目指す人間の成績か?
世界を目指すのであれば勝利は必然でなければならない。
勝利は宿命付けられており、早く妻に世界の切符を手に入れたと報告しなければならない。
そうでなければならない。

現実は初動の遅れ、手札干渉後の相手のトップ解決、種切れ、デッキの相性など関係ない敗北の連続。
プレイングの介入の余地がないもの。
どの試合もリピートだ。違うのは会場の場所だけだ。

どこで間違えた?何に躓いた?
どこで間違えた?何に躓いた?
どうして勝つのはお前なんだ?
僕は努力したよお前の10倍100倍1000倍努力した。
朝から晩までポケカのことを考え、全てを注いできた。
何をやればそっち側に行ける?
世界に行くために、妻を喜ばせるために、お前に勝つために。

何目指してポケカすれば誉めてくれるんだよ。
どこ向いて進めばいいんだよ。
どうやったら勝てるんだよ。

もう1回やれば結果は覆るだろと言う不満。
63mm×88mmの紙切れ1枚の行方を巡り一喜一憂。
僕の理想ムーブを当然の様に返される。まるで台本の様に。
大会までに準備した時間が、運だけで水泡に帰す感覚。
自分の夢と現実のギャップ。

何でポケカやってんの?


僕はデッキを1から作るセンスや才能はない。
デッキは流行りのロスギラから1、2枚ほど自分が使いやすい様にチューニングして戦うしかない。
ありもしない才能を信じて、プレイするしか道はない。

世界を目指すにも今年が最後だ。
妻も早く子供を産みたがっている。一般的な結婚生活を望んでいる。
全国各地のCLやシティリーグの為に毎回地方まで遠征するなど、普通の結婚生活ではできないのだ。
シティに参加するため車で4時間、5時間運転することも、当選するかもわからない札幌CLの為に4ヶ月も前から飛行機とホテルの予約を入れるなど普通ではないのだ。
僕のエゴで世界行く為にポケカに集中し練習を重ね、新しい環境に飛び込んでも世界に行けない様であれば、この先の人生で僕が世界大会へ行けることはないだろう。
今シーズンで僕の選手生命は尽きる。

残りの大会は6月のJCS。
これに勝たないと世界はない。
今までの結果など振り返っては行けない。
勝利に近道はない。
険しい山を一歩一歩上るしか道はない。
下には深淵が続き終わりはない。
登り続けるしかない。

勝つしかない。
僕のエゴを通してここまで来た。
妻の理想の新婚生活を送ることができなかったからこれで埋め合わすしかない。
勝つことでしか今までの意味を証明できない。
勝利以外価値はない。
誰も助けてはくれない。
勝って勝って勝ち上がり世界へ。


最近練習を無意味に、勝利を虚しく感じる。
しかしその疑問に立ち止まっては行けない。
立ち止まってしまったら、それは隙を生む。
隙は敗北を意味し、敗北は死を意味する。
原因が運だとしても。
勝ちは俺の引き、負けは相手の引きが良かったに収束する。

世界に行きたい。
ただこの練習に意味はあるのか?
勝利とはつまるところ、自分の上振れ、相手の下振れ。
敗北とはつまるところ、自分の下振れ、相手の上振れ。
それの連続ではないか。
この虚しさを感じる作業の先に世界はあるのか?
いくらこの作業を続けたところで、試合では練習の意味のない敗北の連続。
この一連の流れに意味はあるのか?

ジムバ行く。勝ち越す。ジムバ行く。勝ち越す。
試合をする。トップ解決される。試合をする。トップ解決される。
その繰り返し。
誰のためでもない。自分のためと言い聞かせる。
何もトップ解決で負けるなど珍しくもない。どこでも起こること。
相手の山が20枚以上で、その中のたった1枚を引き当てたとしても。
僕はそれを知った上でポケカしている。

気が付けば試合の敗北の山。時間の浪費。
僕の夢、世界大会出場は傲慢か?
ポケカ四天王の主張ならこの夢は地に足がつくのだろうか?

周りを見ると僕より後に始めた人間が、僕の背中を踏み上へ行く感覚がある。
にこやかに、楽しそうにやる人は俺と何が違う。
なぜ楽しそうに勝てる?
なぜ周りに人を惹きつける?
なぜその様な環境で練習できる?

世界に行くお前には何が見える?
なぜ勝てる?
僕はとお前で何が違う?

もうこんな運に人生賭けるなんて馬鹿らしい。
いくら必死にやっても余暇を楽しむ目的でやってる人間に負けるのだ。
もうポケカで世界など苦痛なだけなのかもしれない。
もう1人の僕にお前のポケカは疲れるだけと言われてる。
練習しなきゃと考える自分とそれは意味のない行為と考える自己矛盾。

僕「ツツジ、スターレクイエム。サイド取って番返します。」
相手「ドロー、ボスの指令。対戦ありがとうございました。」

ところでお前、何のためにポケカやってんの?


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