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避難所「泣いたらダメだよ。」のルールに思うこと。

被災地の報道を見ていて感じたこと。

とある避難所に避難している70代くらいの女性が
湯気の上がった豚汁を食べながらインタビューに答えていた。
その女性は避難して以来、初めて温かい物を食べたと言い涙を流していた。
前後の会話は分からないが

こんな状況でもやっと温かい食べ物が食べられたという安堵の涙
なんでこんな状況にいるのだろうという理不尽な気持ちからの涙
出口の見えない避難生活で不自由さを感じ不安な気持ちの涙

こころの中にはもっともっと複雑な心情があるだろう。

そして、次に聞こえてきたのは

「ここでは泣いたらダメだよ。
ひとりが泣くとみんなが悲しくなるから…。」

姿は見えなかったが、泣いている高齢女性に向けられた言葉だった。

高齢女性の奥の方にも同じような年代の女性が
同じように温かい汁物を食べていた。
表情はぼやけていて分からなかったが
うつむいて黙ったまま食べていた。
明らかに「我慢」している様子だった。

私はその映像を見て思った。

自由に泣けないなんてトイレに行けないと同じことだ。

これが避難している人の現実なんだとあらためて不憫に思った。


あの人が我慢することなく泣けるのはいつだろうか。
あの人に涙のわけを聞いてくれる人はいつやってくるのだろうか。

避難所の切羽詰まった状況が伝わる映像だった。

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