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一元化教材と論証集について

司法試験対策における一元化教材と論証集について綴らせていただきます。
なお、現在、私は予備試験を合格しているものの司法試験は未受験ですので、このやり方が正しいか否かは実証できていません。したがって、正しいやり方を勧めるのではなく、皆様が作成される際の一例として参考にしていただけたらな、という気持ちで綴らせていただいております。ご了承ください。

定義

一元化教材

まず、一元化教材とは、まとめノートのようなものを指し、具体的にこれ!というものがあるわけではありません。したがって、定義としましては、司法試験直前期に容易に復習しやすいようにしたもの、理解を自分なりの言葉でまとめた、ものをさす、と理解すればいいと思います。市販のテキスト、予備校本、ワード等にまとめているものを見ます。

論証集

次に論証集とは、これもまた、人によって違うとは思いますが、判例の言い回しをそのまんま覚えるだけのものを論証集としてまとめる人から、ある論点について書くことを全て決めていて、それをまとめるもの、予備校が作成した冊子を指すものが例として挙げられます。こちらは、大きく分けて、他者(予備校を含む)が作成したものと、1から自分が作成したものが存在すると思います。

合格者の話

先ほども述べたように自分はまだ合格していませんので、自分の周囲の合格者の話を先に伝えさせていただきます。
一元化教材について、合格者の話を聞くと、大なり小なり、みんな製作していました(自分も合格者の方からのアドバイスで作り始めました)。一方、論証集は、合格者であっても、行政法の処分性、原告適格の論証くらいは抑えているものの、特段、論証集は用いないという方もいました(下記に書きますが、私は1から自分で作成し、かつ、詳細に作る方です)。論証集を作らない、という方は、現場対応能力が高い方に多いイメージがありますが、少数ですのであくまでイメージです。

自分の場合

一元化教材

自分は、珍しいと思いますが、一元化、なんて言葉を使いながら、短答と論文で一元化教材を分けて作成しています。
そして、短答式は憲法以外は、逐条テキスト、憲法は判例百選にまとめて、論文式は、ワードにまとめています。口述は特にまとめることはなかったのですが(時間がありませんでした)、司法試験予備試験 法律実務基礎科目ハンドブック1 民事実務基礎〔第5版〕と司法試験予備試験 法律実務基礎科目ハンドブック2 刑事実務基礎〔第5版〕を用いていました。
まず、短答式は、何をベースに問題が出るか、つまり理解すべきか、という点を考えた結果、憲法は判例、その他は条文ベースである、と考えたからです。読まれた方が考える通り、行政法も判例が多く、民訴は既判力や弁論主義は条文ベースとは言えません。自分の中で、これを中心にまとめるのが効率がいい、と考えたのが採用した結果であり、特に民訴の原則系については論文の方でまとめていましたので、逐条テキストには条文ベースの知識を中心にまとめればいい、と考えました。
せっかく、一元化教材を作ろうと考えているにも関わらず、ワードと分けているのは、深い理解をした際は説明する文章を長くする必要があり、手書きで書くと時間がもったいないので、それとの比較衡量のもと、分けることに決めました。

目的は、①想起の効率化②司法試験前の復習の容易化③ソクラテス対策です。
①について
下記に詳しく綴らせていただきましたが、司法試験を勉強する上で想起と忘却と

はずっと付き合っていかなければなりません(自分がそう思っているだけです)。仮に想起ではなく、再理解が必要である勉強法をするならば時間が膨大にかかります。そこで、想起することを選ぶはずですが、論点によっては、難しいものがありそのような場合に実質再理解に当たるほどの時間を要するならばもったいないです。その想起の時間を少なくするために一元化教材を作成します。短答は、分類が問題となるので、ページの余白部分にまとめたり、会社法の条文操作をあらかじめ書いていたりなどで、想起を早めます。論文の効果が特に顕著で、自分の言葉で説明しておくため、読むだけで想起ができます。
②について
司法試験直前に基本書を読む時間はない(らしい)ので、また、本当に後30分後に開始する場合などに素早く確認するためのツールとして使います。
③について
ロースクール生は授業中に通称ソクラテス、つまり、質問をされると思います。このソクラテスが怖くて予習をたくさんする、という人も聞くのですが、時間がもったいないです(後日、詳細に書きます)。そこで、一元化教材を持って入って、それを見ながら答えます。これは自分のローだから許されたのかもしれませんが、とても便利でした。
以上の目的に沿ったものを作ろうと自分は考えました。

一元化教材の作り方(自己流)

ここからは特に自己流の部分が強いのでお気をつけください。
憲法 短答
→人権は要旨に書き込み、かつ、自分なりに10文字程度で判例をまとめた言葉を題名の横に書いたりします。統治機構は、関係する判例のページの開設ページを中心に、大きめの付箋にメモをまとめて貼っておきます。自分は特に政教分離の判例はa5サイズの紙にまとめて挟んだりしています。
憲法以外 短答
条文に線を引いたり、自分なりに趣旨を書いたりしています(要はこういうこと、みたいな、言い過ぎくらいに、とにかく自分がわかりやすければいい)。条文操作や関係がある条文は横に書いておきます。その際、メモは赤色。青色は条文、のように分けています。
論文
論文試験への活かし方と説明パートに分けています。説明は、理解した言葉を、未来の自分に伝わるように、自分の言葉で書きます。なかなかこれが難しく、未来の自分はこのくらいで理解できるだろう、と見誤るのでいつか人に見せるつもりで作成しますと、ちょうどいいです(多分、それでも人には伝わらない)。
ワードには下に説明する、論証集も下にはっつけています。

論証集

論証集はベタばりをすると、司法試験の採点官に怒られてしまうらしいです。ただ、自分は①当日慌てないために②かくのが遅いから③自分の特性を活かすために、という意味で作成し、利用しています。
①について
自分は常々、当日、上手い言い回しが思いつかなかったらどうしよう、と考えています。そこで、あらかじめ作成した美しい(はずの)論証集を上手い感じで貼るわけです。
②について
自分は書くのが遅いです。予備論文では、4枚目に到達したのは、刑法と会社法だけで、それも、刑訴と民訴をほぼ書けておらず、そこで余った時間を利用しています。論証集を貼り付けると、脳直で書け、文章にも悩まないため、ロスが減ります。
③について
司法試験は自分の才能の押し付けだと思っているのですが、自分は自信があるものに暗記力があります。現場対応は他の受験者に比べて劣っていると思われるので、上で示したような利点をフル活用するため、多くの論証を作成しています。

作成方法

当初は、予備校の論証集を買うことも考えました。ただ、誤りが多いという話や何より自分で作った日本語の方が覚えやすいので基本的に自分で作成しています。ただ、判例は〇〇と言っている、のようなものは判例を貼り付けているだけですし、その他も基本書の引用が多いです。

最後に

何度も言いますが、一例ですし、何より、未合格者なので…。
ただ、自分は予備試験は短答式試験後の論文対策はほぼできず、自分の一元化教材を回しただけで合格した教科もあるため、おすすめはしたい限りです。

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