見出し画像

#033 不登校対応〜子供に恥をかかせるな〜

 今年は、生徒指導主任ということもあり児童生徒理解に関する研修を多く受けている。それらの学びを確かにするために、自分なりに整理しアウトプットしていこうと思う。
 今日は、その中で学んだ「不登校児童への対応」についてまとめてみた。今回の講師の話は、本当に面白かった。内容も濃くどれも勉強になった。その中で、一番強調していたことは「不登校(傾向)児童に恥をかかせない・失敗させないこと」が大切ということだった。

絶対に失敗させない声掛けを

 言葉では、わかっていたが無意識のうちに「『私の声かけ』が子供に失敗経験をさせてしまっていた。」と感じた。
「〜〜するだけでいいよ。」「次は、◯時間だけでいいからね。」など子供達に寄り添ったつもりの優しい声かけをしていた。しかし、こういった言葉掛けが「〜〜できなかった。」「◯時間参加できなかった。」と失敗体験につながることになっていた。せっかく、「学校にきた。」「(1分でも)参加できた。」にも関わらずである。
 また、「何もしてはいけない。」と逆に禁止事項を作ってしまうくらいが良いというアドバイスがあった。子供が失敗を恐れているようなことを予め禁止しておくことで子供の心理的不安を取り除くことができるのである。
「◯◯する。」という声かけは、できなかった時に「できなかった。」という失敗体験となってしまうのである。「家を出るだけで良い。」「顔を洗うだけで良い。」などハードルを下げる声かけをしていまいがちだが、ハードルを下げるのではなくハードルと取り除く声かけが大切なのである。
 さらには、ハードルを飛び越えることを禁止することも考えた方が良い。例えば、友達と会うことに不安を感じている子には「友達に会ってはいけない。」もしくは「友達に見つかりそうになったら帰るからね。」として禁止事項として不安材料を取り除くことも有効である。

来ない前提・来ることがすごい先入観を取っ払え

 不登校児童が登校した際に「よく頑張ったね。」「この調子で頑張ろうね。」などといった声掛けをしがちである。しかし、これは全て登校することが特別なことであると案に伝えており、不登校児童にとっての心的ストレスを高めてしまっている。
 ここでは、いつも通り接することが大切である。具体的には、挨拶をしたり出席を取ったりすれば良いのである。これだと、「せっかく登校したのに冷たいではないか。」と感じるかもしれない。だったらせめて「今日会えて、先生は嬉しいよ。」とIメッセージでサラッと自分の気持ちを伝えるくらいが良い。「頑張ってね。頑張ろうね。」という声かけは全て相手の行動が中心となる「YOUメッセージ」である。これだと子供はプレッシャーに感じさせ、負担感が大きくなる。そこで、ここでは意識して主語を「私」にした「Iメッセージ」で思いを伝えるようにしたい。
 ただ、「Iメッセージ」でもサラッと伝えるようにしたい。不登校児童は、他者に心を詮索されることが嫌なのである。「Iメッセージ」だからといって、こちらの思いを執拗に伝えることは、相手の心に足を踏み入れる行為に捉えられかねないので気をつけたい。

まとめ

 今回の研修を受けて、結論として不登校児童生徒対応に「たった一つの正解はない」ということが分かった。講師が言っていた「恥をかかせるな。絶対失敗をさせてはいけない。」ことの大切さはよく理解できた。しかし、子供一人ひとりのハードル(障壁)の高さは違う。教師がハードルを取り除いたと思っても、想定外のところで躓いてしまうことも考えられるのである。だから、難しい、、、。
 しかし、このことを知って対応するのと、知らないで対応するのは結果が大きく異なる。うまくいく確率も大きく変わるに違いない。苦しんでいる子供(保護者)のハードルを察知し、可能な限り取り除けるような声掛けや振る舞いをしていきたいと感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?