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おもしろ韓国語教室(08)アポロが着陸後に発見したものは

正書法は1988年に制定されてから今まで,何回かの改正を経ていますが,内容はとても複雑で,韓国語の先生でさえも完璧にマスターすることは難しい代物です。例外だらけで,さらに例外の例外までがあり,実用的ではありません。
 
しかし,正書法は,正確なコミュニケーションのための基本的な約束です。正書法に則った文はそうでない文に比べて,品格があるように見えるのは事実です。正書法をきちんと守った文には信頼感があります。

さて今回は「ハングル正書法」の中で一番やっかいな「分かち書き」についてみていきましょう。この分かち書き自体,띄어쓰기だったか,띄어∨쓰기だったか分からなくなってしまった方も多いと思います(正解は띄어쓰기です)。

最近は新聞も雑誌もほとんどハングル表記ですから,文章の意味を正確に伝えるためには띄어쓰기が必要です。つまり띄어쓰기の目的は,ハングルだけで書かれた文章を間違えずに読むことにあります。

ちょっと次の文を見てみましょう。

・아기다리고기다리던소풍.
 
どうですか。このように書かれたら何の意味だかわからないですよね。아기다리 고기다리 던소풍……アギダリ,ゴギダリ,ドンソプン? いやいや,そうじゃなくて아기 다리 고기 다리 더소 풍では?

正解は아∨기다리고∨기다리던∨소풍です。「あぁ待ちに待った遠足」という意味です。きちんと分かち書きをすると,意味がはっきりします。

さて,もう1つ,分かち書きについて学ぶ有名な文章があります。みなさんも教室で一度は目にしたことがあるでしょう。

・아버지가방에들어가셨다.
 
띄어쓰기を間違えると変な文章になってしまいます。‘아버지∨가방에∨들어가셨다.’と書くとお父さんが「カバンに入って」しまいます。 ‘아버지가∨방에∨들어가셨다.’と書かなければなりません。

だいぶ昔のことになりますが,アポロ8号が月に着陸したとき,韓国のある新聞の見出しが띄어쓰기のミスでとんでもない意味になってしまい,物義を醸したそうです(「誤字의 世界」朴甲千 著 杏林出版社より)。

‘아폴로, 착륙후보지∨발견’というのが,本来新聞に載るべき文章でした。意味は「アポロ,着陸候補地発見」です。
しかし早刷りには‘아폴로, 착륙후∨보지∨발견’と言う見出しが大きく躍っていたそうです。


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