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不必要な言葉

最近の若者たちの使う韓国語にも,日本語と同じ「乱れ」が多く見られます。特徴としては,不要な表現がやたらと多く,ダイレクトな表現をする韓国語の「味」が損なわれつつあるという由々しき傾向にあります。

とくに耳障りなのは소개시키다に代表される시키다です。

“그 사람을 내게 소개해 줘요.”といえばいいものを,回りくどく“그 사람을 내게 소개시켜줘요.”という人が増えています。

시키다という言葉は,청소를 시키다(掃除をさせる), 안주를 시키다(つまみを頼む), 일을 시키다(仕事を頼む)のように本動詞で使われる場合もありますが,안심시키다(安心させる), 실망시키다(失望させる)のように接尾辞のように使われる場合があり,これが問題になっています。

안심시키다は,誰かが誰かを安心させる,つまり안심하게 하다という意味です。このように-시키다が接尾辞として使われる時は,使役の意味が含まれていますが,最近は,この-시키다が하게 하다, 하도록 하다の意味を持たない使い方をするケースが増えています。

たとえば‘남편은 아이들을 설득시켰다.’という場合,夫はただ「子供を説得した」だけなのにこのような言い回しをするのはおかしいですね。‘남편은 아이들을 설득했다.’といえば足りるのです。‘남편은 아이들을 설득하게 했다.’という意味ではないのですから。

구속시키다, 석방시키다, 주입시키다, 정당화시키다, 촉진시키다, 유발시키다…のように-시키다を間違って使っているケースはまだまだあります。

拘束する,釈放する,注入する,正当化する,促進する,誘発する…。これらは구속하다, 석방하다, 주입하다, 정당화하다, 촉진하다, 유발하다といえば十分です。

最近よく耳にする若者たちの言い回しで‘거짓말하지 마라.’を‘거짓말시키지 마라.’というケースも同様です。

これらの表現があまりに多く使われているのを見ていると,まるでそれが正しいかのような錯覚を起こしてしまいます。

もちろん취직시키다, 구경시키다, 망신시키다, 탄생시키다, 감흥시키다, 실망시키다などは「させる」の意味を持つ使役の-시키다はきちんと使わなければなりませんが。

そのほかの重複表現としては,담다(込める)に受け身の形기がついた담기다と,それが派生し-어지が付いた담겨지다があります。

담겨지다と담기다は「込められる」という同じ意味を表します。우리 주장이 담겨진 플래카드と우리 주장이 담긴 플래카드とは同じ意味です。「我々の主張が込められたプラカード」という意味ですね。-어지は不必要な部品です。

담겨지다のほかこのような例は,감겨지다,놓여지다,보여지다(など枚挙にいとまがありません。これらの語は감기다(絡まる),놓이다(置かれる),보이다(見える)といえば事足りますし,その方が自然に聞こえます。

これら表現力を助長する蛇足的な言い回しは慎むようにしましょう。

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