はじめに。 少々過激と思われる表現もございますが、当時起きた事のありのままを書かせていただきました。時代背景等含め、ご容赦いただければと思います。 中学3年の時の話である。私、柿木坂花卉音(かきのきざかかきね)のクラス、3年2組の教室の後方入口のすぐそばに男子トイレがあった。休み時間には大体クラスのカースト上位男子達がトイレでたむろしたり、付近で騒いだりするのでうるさくて落ち着かなかった。 ある日の休み時間のことだった。いつもの様にうるさい男子トイレで、ごく普通の、普通
実家の両親が終活という名の断捨離を進めています。うちの両親は早くに私たちを産み育てたので同年代の親達よりはかなり若く、正直終活はまだ早くない?と思ったのですが 「元気なうちに!」と毎日気持ち良いくらいゴミを捨てております。 まあ、大半は私たち姉弟の使わなくなった家具やガラクタなんですけどね。 置き去りにした家具やガラクタなのに「これ捨てるけどいい?」と写真を添付し毎回確認をとってくれる両親。その写真を見ていて気付いたのですが、どうやら私、至る所に落書きをするくせがあったよう
それは突然の別れだった。 「今すぐ病院に来て下さい!」 何が起こったかわからなかった。仕事の休憩を早めにとらせてもらうことにして 頭の中が真っ白なまま、タクシーに乗り込んだ。 病院に着きドアを開けると、ドアの前で待ち構えていた先生方が、憐れむようななんとも言えない顔でこちらを見つめる。 「あの…先程お電話いただいた柿木坂と申しますが…」 恐る恐る名前を告げると、1人の先生が無言で頷き、診察室のドアを開け 「こちらへお願いします。」 促されるまま診察室へ入ると、診察
上京して初めて住んだマンションは、各駅停車しか停まらない小さな駅にあった。 敷地内には緑が多く、外壁の薄いピンク色のタイルが、陽の光に当たるとオーロラカラーにキラキラと光る。そんな所も気に入って決めた。 それなりに楽しく暮らしていたが、引っ越してから数ヶ月経った頃に空き巣が入った。帰宅すると家の中のものは散乱し、タンス貯金が全て盗まれていた。 中庭に面した部屋だったことが良くなかったらしい。外の通行人からは全くの死角になるからだ。 新入経路はベランダから。窓ガラスが派手
「何かぼうっとしたようなところがあり、 学習したことが身についていない」 これは私が小学校4年生の時の通知表に書かれていた担任からの一言だ。 ぼうっとしている、というよりは人の話を聞いていなかったという方が正しいかもしれない。自覚はあった。 誰かの話を聞いている時、違うことを考えてしまうことが多かった。それが授業や大事な話なら尚更。意識が別の方へ飛んでしまうのだ。 (あー、お腹すいた。おやつはチョコが食べたいなぁ。) (先生、字が汚いなぁ。)←失礼 なんて、そんなこと