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病院の営業活動_紹介フローと意思決定者を明確にする


1.はじめに

病院からの紹介を増やすための営業活動をする際に、紹介の意思決定者にアプローチできているかは非常に重要だと感じています。

私は最初営業活動を始めた頃、部門長(教授や相談室長)だけにアプローチしていましたが、それだけでは中々結果に繋がりませんでした。

重要なことは、意思決定者にアプローチすることであり、転院先の決定を病棟の若手医師が行っているのであれば、その医師に個別に営業をかけることが重要です。
※ただし、部門長からのトップダウンにより、意思決定者の行動変容を起こせる可能性があるのであれば、部門長に重点的にアプローチする意味はあります。

私は現在、営業活動を始める際には、相手の紹介フローを明確にし患者を多く抱えている紹介先の意思決定者にアプローチしていくことを特に重要視しています。

2.紹介フローの解像度を上げる

営業活動をする際には、まず相手のことを知ることが非常に重要だと感じています。

相手を知るということは、相手の病院のスタッフが何人いて、それぞれのスタッフがどんな役割を担っているのか、どれぐらいの患者数を持っているのか、どのような流れで転院先が決まっていくのか、などを相手と認識のズレなく共有することです。

私はいま、外来透析患者の集患営業を行っており、特に近隣の大学病院の腎臓内科医をターゲットにしていますが、面談の際には下記などを確認し、どのような流れで患者が転院になっていくのか紹介フローを明確に把握するようにしています。

  • 相手の病院に腎臓内科医が何人いるか?

  • それぞれの先生の役割は?外来のみ診ているのか、病棟も診ているのか?医局をまとめている先生は誰か?など

  • 各先生が月に何人ぐらい保存期CKD患者を見ているか?

  • そのうち透析導入になる患者は月に何人ぐらいいるか?

  • 透析導入の際も入院時はそのまま主治医となるのか?

  • 入院期間はどの程度か?

  • 他院で維持透析を行うとなった場合、いつから転院先の調整を行うか?

  • 転院先を調整する際の意思決定者は主治医かMSWどちらか?

  • 転院先を検討する際に重視することは何か?

紹介フローが具体的に分かるほど、その後の営業でポイントを訴求しやすくなり、自院の課題も見えてくると思います。

ヒアリングの際に意識していることは、一問一答形式で聞いてしまうと、尋問のようになってしまうので、できるだけ自然な会話の中で聞き出していくことです。

私は、会話の中で聞き出すために、一人の患者さんが、その病院に来院してから転院していくまでの流れを想起しながら、順番に対話形式で聞いていくようにしています。

また、これから営業活動を始めるという場合、誰に紹介フローを確認していけば良いか分からないと思います。

個人的には、まずは管理者の方に聞きつつ、その面談の際に実務を行っている方を教えてもらい、更に面談して紹介フローの解像度を上げていくという形が非常にやりやすいと感じています。

できるだけ複数人に聞いていくことで、より紹介フローの解像度を上げていくことができます。

3.紹介時の意思決定者にアプローチする

紹介フローの解像度が上がれば、キーマンとなる意思決定者も明確になります。

私は外来透析の営業活動で大学病院にアプローチした際、これまでは教授にだけ面会していましたが、紹介フローを明確にすることを目的に、准教授〜講師の先生まで幅広く面談をして、紹介フローの解像度を上げることができました。

その結果、外来透析患者の転院調整は病棟を診ている若手医師がキーマンであることが明確になりました。
更にその中でも重要な病棟医長の先生も明確になり、ターゲットを具体化することができました。

病棟医長の先生との面談では、これまでよりも深い連携の話ができ、相手の抱えている課題も明確にすることができました。
また、自院の対応可能な範囲について過小評価されてしまっていたことも明確になり、誤解を払拭することができました。

上記は一度誰かに会うだけでは把握しきれないため、様々なスタッフにアプローチしながら、多方面から情報を収集していくことが重要だと感じています。

キーマンと紹介のフローが分かることで、アプローチする際のポイントが明確になり、営業のしやすさが格段に上がります。

今回の記事が、少しでも病院の営業活動で悩んでいる方のお役に立てれば嬉しいです。

最後まで読んていただき、ありがとうございました!

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