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アーリーリタイア、気づいたことなど

アーリーリタイアして、一年半が過ぎました。

会社員の時は、いつもアクセルを踏みっぱなしで、ガツガツしていました。
無駄やムラを排除して、いかに時間を作りだすかを、自分だけでなく後輩たちにも求めていたと思います。

いまはたくさん時間ができて、物事にじっくり取り組めるようになりました。
ゆっくり、じっくりおこなうことで、今までなら見過ごしていたことに気づくようになっています。


【料理で】

料理をするようになりました。
はじめた頃は、食材購入の失敗や手際の悪さを、奥さんから指摘されてストレスを感じましたが、いまは少しずつ上達しています。
レシピメモは都度改良を続け、自分や奥さん好みの味にできるようになりました。
調理や片付けも手際がよくなっていると実感します。
料理がだんだん楽しくなり、いまでは毎日の昼食と、毎週水曜・日曜日の夕食はわたしが担当してます。

また、買い出し機会が増えたので、食材の物価に詳しくなりました。
スーパーによって同じ商品の価格が違うことはわかっていましたが、40%くらい価格差があるものがザラにあったりします。
大量仕入れできないはずの弱小スーパーのほうが、特定の商品群が低価格だったりするので、なかなかあなどれません。

おやつもたまに自作します。
ホットケーキは、ミックスから自家配合に切り替えました。
市販品の「甘さ」に近づけようすると砂糖をバンバン入れることになります(小麦粉100gに対し砂糖60gくらい)。
自分で計量してみると、明らかに「砂糖の取り過ぎ」だとわかるで、半分に減らすなど調整してます。

【散歩で】

散歩を日課にしてから、思いのほか体力がつきました。
体重は-11キロ、ウエストは-10センチに。
身体は軽くなり、旅行やトレッキングをさらに楽しめるようになりました。

散歩のときは景色を眺めたり、考えごとをしたりします。
歩くペースはゆっくりがいいようです。

散歩コースにいる白鳥。近所の川には毎冬白鳥が30羽ほど飛来します。この白鳥は飛べないようで一年中この場に留まり、冬がくると家族と合流しています(四人家族、たぶん母親)。通りがかりの人は真夏の白鳥を心配そうに眺めていますが、悠々とした落ち着きさえ漂わせています。ひとりで居ても動じない彼女の姿にシンパシーを感じています。

【映画で】

映画をみた後は、徒歩で帰るようにして、頭の中でストーリーを反芻します。
そうすると作品の理解が深まり、いろいろな発見があります。

示唆に満ち溢れ、たくさんの反芻が必要だった映画は、ビクトル・エリセの32年ぶりの新作「瞳をとじて」です。
https://youtu.be/Vls2kIjz-yY

【ストーリー】

主人公ミゲルは映画監督をやめた初老のひとりもので、古いキャンピングカーにシートやトタンをつなげて広くした、海辺のボロ家で暮らしている。
ミゲルは自身の未完成の映画「別れのまなざし」の撮影途中で失踪した俳優フリオを探すことになる。
フリオは老人ホームで見つかったが、脳の障害によって、すべての記憶を失っていた。

二人ともかつてはそれなりの社会的キャリアをもっていたものの、いまはすっかりかけ離れた状況にいる。
監督の仕事に加え、幼い息子を失くしたミゲルは、昔の自分の持ち物を照明がつかない都会の貸倉庫に置いたままにしている。
過去さえ失ったフリオは、映画の中の自分の姿を見て「この男が本当に自分なのか?」というような顔をしている…。

【映画から感じたこと】

①「まなざし」は自分自身に向けることができないもの。
②「瞳をとじること」は、過去の思いや記憶を再生させるが、最後は一切の喪失の「死」でもある。

【英語学習で】

米国株投資に必要と考え、YouTubeで「CNBC」をみたり、サブスクで「ウォール・ストリート・ジャーナル」の購読を日課にしています。

なにぶん動機が自分のお金に関わることなので、それなりの集中力で毎日一時間を費やしたところ、ヒアリング、リーディングが大いに進歩しました。

パウエル議長の会見もだいたい聞き取れるようになり、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事も辞書やDeep-Lを使わずに読めることが増えました。
執着的な動機や継続は力なり、だと実感しています。

【投資で】

退職金と解約した財形貯蓄を投資にまわしています。

試行錯誤の結果、市場を見るのは閉まる直前の30分だけにしています。
四六時中、市場に張り付くことなく、一喜一憂せずに済んでいます。

また、リスクを取らずとも、配当や利息でなんとかなることも段々わかってきました。

【旅で】

毎日の散歩を通じ、自分にとっての快適な体感を計測してきました。
「気温19℃~24℃、湿度は65%未満」「天気は晴れ」がもっとも快適だとわかってきました。
季節で言うと「初夏」です。

今年は、初夏を求めて「沖縄(3月)→関東(4月)→青森(5月)→北海道(6月)」と北上してみました。
とても快適に過ごせました。

来年はさらに九州を加えた「初夏の旅」をしたいと思います。
やりようによって、一年の半分以上を「初夏」で過ごせそうです。

【最後に】


「やることがなくて、手持ち無沙汰ではありませんか?」と聞かれることがありますが、そのような気持ちにはなっていません。

ゆっくり、じっくりおこなうことで、見逃していたことに気づきました。
そのことによって、自分の考え方や生活が少しずつ変化しています。

しばらくはこの変化を楽しみたいと思います。

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