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#13 前十字靭帯損傷の秘密教えます ⑧再断裂編

こんにちは!理学療法士のKEIです!

はじめに

前回まで計4回に分けて手術について記事にまとめました。
今回は理学療法士としては避けたい、再断裂についてまとめてみたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください!
それではいってみましょう!


原因

移植腱断裂の原因として
・外傷性の断裂
・骨孔位置や移植腱の固定などの不適切な手術手技に伴う機能不全
・外傷や手術手技に問題はないが、移植腱の機能不全や断裂が生じる生物学的治癒不全

などがあり、これらが組み合わさり再受傷が引き起こされています。

過去は手術手技に起因した再断裂が多かったようですが、近年では手術技術の向上もあり減少傾向にあります。
その代わりに外傷性の再受傷が増加しています。


頻度

移植腱損傷の発生頻度は7%、対側損傷は8%


時期

移植腱損傷は術後1〜2年、特に1年以内の受傷が多く無理なスポーツ復帰や移植腱の成熟不足も考えられます。

対して対側の損傷は術後2〜4年で生じることが多いとされています。

移植腱と対側の損傷時期が異なる理由は明らかになっていないようです。


危険因子

再受傷に至るメカニズムは明らかになっていませんが、初回ACL損傷の危険因子と同様に内因性、外因性を含めた複数の要因が関与していると言われています。

以前、ACL損傷の受傷機転などを記事にしましたのでそちらもぜひご覧ください。



再受傷の問題点

移植腱損傷が生じた症例には再再建術が第一選択になりますが、初回再建と比較しLysholm scoreやIKDC scoreが劣り、変形性膝関節症の発生が高率になるとされています。

また複数回の手術を行うことで活動レベルの低下を余儀なくされ、競技が継続できなくなることが報告されているようです。


よって再受傷自体を予防することが非常に重要であるとされています。

しかし再受傷の危険因子についての研究はまだまだ少なく、難しい問題のようです。
特に介入ができる危険因子については、理学療法士も関わっていけることが多いと思いますので今後の研究に期待したいと思います。


まとめ

今回は再受傷についてまとめてみました。

★ポイント
移植腱損傷は術後1〜2年に多く、対側損傷は術後2〜4年で受傷することが多い
初回再建術時の年齢とスポーツ復帰は再受傷の危険因子
再再建術は予後が悪いことがある

今回はここまで。

本記事をご覧いただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!

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