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ドラムに関して

私がドラムを教えてもらったのはもう10年以上前の話だ。
当時中学生であった私は、あまりの難しさに打ち砕かれた。私のリズム感は壊滅的だった。

なんやこれ。何故手と足を別々に動かさなければならないのか。理由を述べよ。
一緒に動かしたらええやないかい。
私は基本となるエイトビートをなかなか習得することができなかった。
全然できるようにならないので、練習の帰り道少し泣いたことを覚えている。

もうやめてやる。いたいけな中学生の自己肯定感を損なわせやがって。私は練習が終わるごとに、いつやめるか考えていた。
しかしなんかよく分からんけど、ある日突然、エイトビートを習得できた。
なぜできたかというところの言語化は難しい。
突然、自分の中に叩く回路が備わったとしか言いようがない。
エイトビートを習得したことで、私の意欲は飛躍的に向上した。
基本しかできないくせに、自分は一端のドラマーですけど顔をしていた。教室ではこれ見よがしに友達にドラムの話をしていた。ちなみにそれは大学生まで続いた。
ただの恥ずかしい人である。

初心者のバンドにドラムとして加えてもらい、一曲だけ叩いた。足が震えてバスドラムを無意味に連打しそうになるくらいには緊張した。
でもなんとかやりきった。正直あまり覚えていない。やたらシンバルを思い切り叩いていた気はする。

それから高校や大学の文化祭ではバンドで出場したりして、今に至るまで楽しくドラムを続けられている。いまだに楽譜は読めないし、下手くそだけど。
しかし年数を重ねるにつれて、以前よりはドラムという楽器を理解できている気がする。

ドラムに求められること。
それは第一にテンポキープ。
基本だ。
メトロームとずれずに叩けるようになったのは最近である事は内緒だ。今でもたまにずれるけど。
このテンポキープというのがとても私には難しかった。テンション上がるとテンポなんてどっかいってしまうのだ。特にベースや歌の方には迷惑をかけることは多々あって誠に申し訳なかった。

それから楽曲の盛り上げ切り込み隊長であることだ。テンポの早い曲ではサビやイントロ前のぶち上げはとても大切だ。
もちろんゆっくりな曲でもパワフルさが求められる事もある。静かな曲ではうるせえと思われないように調整することも肝要だ。
つまり、理解し、表現する力が大事だと思う。これは厳密に説明するのは難しい。
曲をよく理解し、メンバーの意図や場の雰囲気をくみとって、外へと伝える力だ。

あとかっこよさも大事だ。顔じゃんと思うかもしれないけどそれは少し違う。雰囲気というかオーラというか、纏う空気だ。

ドラムは不思議で奥の深い楽器だ。
基本的に他のどの楽器とも互換性がない気がする。でも違うからこそ、楽しい。
ドラムだけでは、曲は成立しない。いやプロの人とかはするのかもしれないけど。
ベースがいて、ギターがいて、キーボードがいててこそ、他の楽器がいてくれてこそ、ドラムの真価が発揮されると私は思う。
他の楽器とバシッと合った時の気持ち良さはたまらない。

仲間とともに協力してこそ、良い働きができるハートフル楽器。それがドラムだと私は思う。
1人では楽しくない。

今後もドラムに対して理解を深めていきたい。


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