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子育てについて改めて考えてみた2歳0歳育児中の小児科医のつぶやき

とある女性の発言が契機

2歳0歳の相手をしていると、「子育てとは?」とかゆっくり考える間もなく過ぎていく。ただ最近改めて考えるきっかけがあったので頭の中の整理のため書き出してみる。
きっかけはとある話し合い中に1人の女性より出てきた下記の発言。

子供は自分の思い通りに動いてくれない、自分の時間がなくなる…子供が生まれたら自分の人生は終わりとさえ思っています。(一部抜粋)

この意見に対して、子を持つ自分の意見はどうか?
まず私の現状としては、
▶︎小児科専門医
▶︎2歳娘、6ヶ月の息子がおり、第2子の育休中
▶︎第1子の育休明けは時短勤務
▶︎夫は家事育児に協力的
上記は現状なので、あえて並べては書かないが、元々は極端な仕事人間だった。病院に泊まるのも平気、土日つぶれようがまぁそういうものと思っていた。とにかく子どもが大好きで、患者さんとの関わりに幸せを感じていた。我ながら小児科医は自分の天職だと何度も感じた。
ただやりがいがあるゆえに、自分自身のオンオフのつけられなさが顕著であったため、自分が出産・育児したら大幅に仕事はセーブしないと自分の子どもに時間が割けないのは容易に予想できた。
中途半端になるから完全に子どもが小さい間は仕事をしないというのも考えた。結局0にする怖さもあり、第1子の育休明けは時短(9時-15時)で復帰。子どもが小さい間っていつまでって決めたわけではないけど、あと4、5年はこの生活だろうと考えている。それだけ臨床(病院などで働くことをこう言う)を離れたら将来復帰した時どうなっているのか、考え出すと怖いけど、別のベクトルで物事を考えることでなるべく払拭するようにしている。

時短の選択

子どもが産まれるずっと前から「歩きたての子どもと散歩する時に、子どもが道端で立ち止まったり座り込んだりした時に、急かすのではなく満足いくまで興味の向いたものに没頭させたい」という夢があった。
第1子の育休明けしばらくして1歳数ヶ月になった娘は歩くのが楽しくて仕方ない時期に入った。その頃は職場の託児所に預けていたため、迎えに行ってバスに乗り、降りて駅から家まで大人で徒歩15分程度の距離。ベビーカーも使わず(乗ってない時邪魔になるので)、ヒップシート(腰につけて抱っこの時子どもを乗せられるもの)だけ装備して娘の行くままについていった。草、花、石ころ、看板あらゆるものに反応し、時には突然Uターン。40分くらいかかる日もザラにあった。それでも急かさずにいられたのは、どれだけ時間かかったとて16時台には家に着くという強み。その後のことを焦って考えなくてよい。まだイヤイヤ期ではないから、本人の思うようにさせていれば(こけない限りは)機嫌を損ねることもない。
もちろんフルタイム勤務しながらも育児もこなしている同業者はたくさんいて、時短じゃないと育児できないわけではないのだとは思うけど、自分は時短勤務のおかげで時間的に余裕を持てたことはよかった。

親は子に「教える」立場なのか?

そんな感じで娘と歩いていくうちに気づいたのが驚くほど自分には知識がないということ。草や花の名前、わからない。働く車も分からない。宇宙も分からない。世界の地理も分からない。こんなんじゃ何も教えてあげられないなと悩んだ時期もあったけど、ある時から吹っ切れて、教える必要はないんじゃないか、一緒に学べばいいんじゃないかと思い始めた。
そこから時を経て娘は2歳4ヶ月、今は宇宙にハマりだしている。土星の輪っかって氷のつぶらしい。知ってました?これも最近娘と学んだこと。
これからも子どもに体験させると称して自分が新しい世界を知る機会を作っていこうと思う。

子どもは思い通りにいかないか?

イヤイヤ期が見え隠れする2歳を持つ今、断言できる。思い通りにはいかない。「イヤイヤ期に入ったら自分で選びたがるから、選択肢を用意して選ばせるといいよ。」とよく聞いたことがあった。確かにそれでうまく場面もある。しかし、選択肢両方やだと言われたり、どちらかを選択したのでその方向で進めていたら10秒後に別の方がいいと大爆発したり。
大人からみたら子どもはわがままでペースを乱すし思い通りにならない存在かもしれない。ただ逆も然りなのでは?と私は思う。
毎日のスケジュールも休日のお出かけも大人の都合で結構決まっていないだろうか。子どもが好奇心を絶たれる時、それは危険だからか?はたまたマナー違反だから?それとも大人の都合?なんにせよ、子ども側からしてみると、大人って勝手で思い通りにならないんじゃないかと。

子どもを尊重すること

子どもを未熟な大人という目で見てしまうと大人子どもの間に上下関係ができてしまうけど、何歳であっても子どもを1人の人間として尊重することは大事だと感じる。お兄ちゃんだからお姉ちゃんだからは関係ない。その子のずっと使っていたものについては、下の子に貸す時は前もってお伺いを立てる。親が買ったからとかは関係ない。
かける言葉も十分に配慮する。悪気あるないは関係ない。子どもの言うことやることを笑ったり、「汚い」「臭い」などのネガティブワードを言ったり(本当に汚れていたとしても)しない。対大人でしないことはしない。

終わりに

もっともっと書きたいことがあったように思うけど、一旦ここで終わりにする。冒頭の女性に「育児って幸せだよ」というようなふんわりした言葉ではなく「子どもおもしろいよ」ってことはなんとか伝えたいなと思っていたけど、それが伝わる文章にはならなかったな(笑)またいずれまとめよう。
育休中にプログラミングの勉強を開始し、大袈裟に言えば世界が大きく広がったのがこの数年。臨床で止まっている分、小児科医としてできることを探してこれからもトライしていきたい。


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