【GOTY受賞】ラスアス2の過去のユーザーレビューを検証してみたら高評価が多かった【メタスコア93】
本日、The Game Awardsが開催され、『The Last of Us Part II』(以下、ラスアス2)がGOTYを受賞した。
The Game Award(以下、TGA)のGOTYは、ゲームにおいて4大GOTYの一つを担っていて、ショーとしての側面も大きいので世界中で大人気のイベントである。それだけに注目度も高い。
ラスアス2がTGAのGOTYを受賞したものの、YoutubeやTwitterでは「メディアとユーザーの評価の乖離」「忖度」「ブーイング」などと批判の声もそれなりにあった。しかし、ユーザーレビューでもそれなりに支持されている事実が分かってきたので、根拠となる数字と共に紹介する。
メタスコアで有名な「metacritic」のレビューに関して
metacriticでは①メディアが採点したスコアの平均であるメタスコアの評価と②ユーザーの評価の2つがある。①のメタスコアは93点と高評価であり、2020年のゲームの中では最高水準である。
ラスアス2に関しては、発売前からストーリーに関してネタバレされていたことから、ユーザーレビューが発売日当日から数日に渡って低評価爆撃(レビューボム)を受けていた。この票数は他のゲームと文字通り「桁が違う」票数なので、大きな問題だ。
DEATH STRANDINGが発売した時もレビューボムが大きな問題となっていたが、またレビューボムが起きてしまったため、ラスアス2以降発売されるゲームでは、集計方法が変わった。
参考記事『メタスコアユーザーレビューの方針が変更、発売しばらくは投稿不能に「もっとゲームに時間を費やしましょう」』(gamesparkさん)
現時点(2020 12/11)でのユーザースコア
ユーザースコアは、レビューボムを受けている時点でそれほど信用できない指標であるが、この指標を使って2つのことを考えてみる。
①投票数の差をとって再集計してみる(現在の集計法に近づける)
現在のユーザーレビューでは、発売後数日は投稿禁止にされているので、同様に、6/27から12/11までの票数の差を取ることで、発売後の数日分のスコアを除外することができる。以下がその結果。
Positive 76301-37056=39245 (68%)
Mixed 7629-3691=3938 (7%)
Negative 64326-49874=14452 (25%)
得点は一切考慮していない(集計に必要な作業が面倒な)のでユーザースコアは推測できないが、2時点間での投票数の差を考え、発売後数日のスコアを除外すると、Positiveに属する評価が70%近くもある結果になった。
②Positive得票数でGOTYを決めることを想定してみる
GOTYは各ゲームに点数をつけるレビューではなく、各部門でゲームを1つ選ぶ投票制。どれだけアンチがいようと、投票数が多ければ選ばれる。metacriticでは、Positive評価において、ラスアス2が76301票、『Ghost of Tsushima』が16535票、『あつまれどうぶつの森』が2899票となる。もちろん複数のゲームに投票することも可能だが、売上を考えるとそのような投票数の差が生まれる要因はない。この数字が正しいなら、どんなユーザー投票であっても圧倒的な投票数でラスアス2が選ばれるはずだが、TGAのPlayer's Voiceではツシマが選ばれたように、当然そんなことはない。これまで述べてきた通り、ラスアス2はポジティブ評価もネガティブ評価も尋常じゃない数になっている。
集計方法が変わった2020年7月19日以降の作品であるなら、荒らされているスコアはないはずだが、ラスアス2に関してはレビューボムで荒らされたユーザースコアをそのまま作品の評価に利用するのは妥当ではないことがよくわかる。
Amazonレビューから高評価の数を考える
数あるレビューサイトの中からAmazonを選んだ理由は、購入者と非購入者をきちんと区別して集計している点、集計方法がきちんとしている点、投票数が多い点、各国の比較をできる点から。以下が各国のスコア。
アメリカAmazon
イギリス
ドイツ
フランス
日本
日本だけ他国と比較してかなり低い結果になっているが、そもそもAmazonはレビューの計算方法が特殊。Amazonレビューの計算方法に関して、公式HPで以下のように書かれている。
『全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。』
このため、評価のパーセンテージとレーティング数・レビュー数に大きな差があることがある。日本Amazonのラスアス2では、
星5つ(グラフ表示では40%)
815 グローバルレーティング | 579 グローバルレビュー
星1つ(グラフ表示では22%)
646 グローバルレーティング | 569 グローバルレビュー
というように、パーセンテージに大きな差があった星5と星1も、レビュー数としては星5と星1に差がほとんどない。つまり、Amazonで購入していないのにAmazonでレビューを書いていたり、レビューの内容がほとんどない信用できないと判断されていると考察できる。実際、星5のレビューを評価順に並べると購入者が多く、星1だと購入者が少ない。星1は購入しているか怪しいレビューに数千人が役立ったと回答している。ここまで大きく乖離している作品も見たことがないので、かなり荒れているレビューであるのは間違いない。(日本Amazonは、そもそもストーリーにしか触れていないレビューが多すぎるのも問題)
ラスアス2を支持するユーザーも多数存在する
TGAのGOTYの時には、YoutubeやTwitterにおける、「高評価/低評価」と「いいね数」から作品の評価を想定している人が少なからずいたが、そもそもプレイした人なのかどうかも判断できない上に、アカウントの量産等の問題もある。
現地時間12月6日に最終ラウンドが開始されたときには『The Last of Us Part II』が43%に上り、『Ghost of Tsushima』は31%だった。
>そして投票終了まで4時間となったところで『Ghost of Tsushima』が47%に跳ね上がり、『The Last of Us Part II』は33%に下がった。
TGAのPlayer's Voiceでは、ラスアス2の優勢を阻止するべく他のゲームに投票を求める勢力も存在していて、海外掲示板の4chanで活動が起きていたらしい。
Player's Voice賞もラスアス2がかなり健闘していた。賞こそ取れなかったものの、確実に支持する層は存在しているのは確実で、4大GOTYのGJAは100%ユーザー投票で選出される賞であるが、ラスアス2がGOTY受賞していた。
TGAでのプレイヤーズボイス賞の投票(最終結果)
もちろんGOTYを取れなかったからといって、評価されていないわけではない。投票制のため1位だけクローズアップされるが、ラスアス2はメディアだけではなくユーザーの中でも支持する層はいるし、他のゲームもGOTYや部門賞を取れていなくてもメディアに評価されているゲームはあると感じる。
まとめ:リテラシーを身に着けて各レビューサイトを総合的に判断すべき
最近の「日本Amazonだけ評価が低い」ゲームだと、Demon's Soulsが挙げられる。Demon's Soulsはメタスコア、ユーザースコアでかなり高い評価を得ていて、GOTYにもノミネートされるほどであるが、世界のAmazonの中で日本だけが低い(現在、星3.5)。日本のレビューでは最悪のリメイクと批判している内容も多いが、低評価の中には、意外とAmazonでの購入者は少ない。逆に、『あつまれどうぶつの森』はユーザースコアが低いが、メタスコアとAmazonレビューだとかなり高い。『Ghost of Tsushima』はメタスコアが83と低めであるが、ユーザースコアとAmazonレビューはかなり高い。
どのレビューサイトも色々と問題がある。metacriticのユーザースコアはコメントを書かずにつけた点と長文コメント点が同等の点数に扱われている点や、レビューボムの可能性がある点が問題であり、メタスコアは大手メディアと小さなメディアのスコアが同等である点が問題である。
様々なレビューサイトや賞を総合的に判断しないといけない時代になったのでは...
最後に
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前回の記事が30000プレビュー180いいねも頂きました。ありがとうございます!!!!
前回の記事『【考察・ネタバレ】ラスアス2の裏テーマ「贖罪」と「蛾」の象徴について【The Last of Us Part Ⅱ】』
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