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【映画感想】げげげっ!

映画【鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎】
通称「ゲ謎」見てきた。

ゲゲゲの知識が0に近いレベルなので、
見る予定は無かった。

なら何故見たのか?

遠くから遊びに来る友達が見てみたいと言ったからである。
あと丁度TOHOシネマズに溜まってた
6pt(映画1本無料)で見る分には良いかなと思った。

このように期待値が高すぎる事も低すぎる事も無い状態で見て来た訳だが
5点満点のうち4.3点位の印象。

思ったより高得点じゃん?


※がっつりネタバレ感想では無いけど、
映画を見た前提の吐き出し感想文なので
そこらへんは自衛をよろしくお願いします。


【絵作り】色で伝える空気感

全体のストーリー等を語る前に、色合いが素敵だなと思った。
キャラの感情表現をセリフや大げさな演技ではなく、
色をじんわり変えて伝えたい事を伝えるのが
一番印象に残る作品だった。

-自然の中にある、真っ赤な鳥居の違和感

超序盤で、水木がタクシーで村に向かう途中見上げる
緑の山の中にある鳥居がとても綺麗な赤なのに、
この世のものではない歪な存在感を出して不安な気持ちにさせた。

-立ち入りを禁じられた島の空気

最初はもののけ姫のシシ神様でも出てきそうな
美しく神秘的な、全てが浄化されるような空気を纏っていた森が
一瞬で紫色の不気味な森に変わり
人間ごときがが入ってはいけない場所に
踏み込んでしまったという表現が
カット切り替えをせず一瞬で描かれる。
気づいた時はもう手遅れ。

-蛍が舞う場所から見える夕焼けに染まった湖

該当シーンでの会話内容は思い出せないのだが、
(水木とゲゲ郎の二人が島のヤバさについて語ってる?)
二人がいる場所は夜が近づき、緑色に光る蛍が舞っている絵から、
続けて縦パンで見せる夕日に染まった湖が
どちらも美しさを感じるけど全くの別世界である事を表現してて
あのシーンがなんだかんだ一番脳裏にこびりついている。

-赤い桜と青い湖

物語最後の舞台、ベタ100%の真っ暗な背景に血で染め上げた桜の木。
ただ、それだけなら恐ろしさを感じるだろうけど、
木が聳え立つ湖はシアン強めの清らかな青で
こちらの舞台も同じ空間なのに
2つの世界に分けられている感じがとても綺麗だった。

【ストーリー】無駄な部分がほぼ無い

-重要じゃない要素は序盤でバッサリ


最初は製薬会社の話やら親族らの説明で混乱するかな思ったけど
物語で重要では無いキャラらは秒でいなくなってくれたので
なんだかんだ分かりやすかった。

犯人も登場した瞬間から特定できたが
「はいはい知ってましたよどうせこの人なんでしょそんで後何分やるんですかこの映画?」
という不快な気持ちにさせないのが良かった。

物語としての犯人発覚シーンで
「やはりあなただったのですね…」という気持ちになる、
証拠をがっつり描かないけど、発覚シーンにたどり着くまで
キャラが纏う空気でじわじわ主張して行った流れが好き。

-EDクレジット

本編自体も良かったが、
それだけで「ブラボー!100億点満点です!!」と
絶賛する程の感動までは無かった。が、

EDクレジットイラストが本編でしょもうこれ…

白黒漫画風作画で描かれてるので
水木の髪色か分からないまま何となくボケーっと眺めていたが
本編が終わったと気を抜いてた自分を殴ってやりたい…

ちなみに数ヶ月前やっと配信で見た
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の
登場人物らは気づいてないけど観客は分かるからニヤニヤする
というのEDがとても好きなのだが

ゲ謎は登場人物らの片方は気づいてないけど
もう片方と観客は分かるから胸が引き裂かれる
という
似てるようで正反対の気持ちにさせるの、
どちらも天才悪魔達の所業…

【キャラ】恋する女達は可愛い

「目玉親父と水木で祭り会場は大いに盛り上がっています!
現場からは以上です!」
と聞いていたが、私は二人の女に胸を撃ち抜かれて来ました。

-沙代

水木が暗いトンネルを潜り見た村の風景。
ヤバいと言われてた割にはあまりにものどかで普通の田舎。
緑と青と土色の自然色で彩られた中、

木陰に佇むモノクロの女が一人。

そこだけ時が止まっているような、
人間の形をしてるけど人間では無い違和感を感じさせる美しき少女。

私はね、白黒が大好物なんですよ…

ちなみに丁度今何回目になるか分からない
「姑獲鳥の夏」も読んでるので
沙代の名前を聞く前には「涼子…?」と
心の中で一人呟いてしまった。

銀座のパーラに行ってみたいとか、白ワンピでアピールする所とか
外部の人間として「取り敢えず」水木を選んだ彼女が
本当に心の底から水木に助けてほしいと
訴えてくるのが辛くて哀れで愛おしくて

私が…俺が君のクリームソーダになるから…!!

-乙米

全体的に沙代ちゃんの事しか頭に無かったのだが
よくよく噛み締めてみたら乙米さんもすごく可愛い女だった…

「そう!私が黒幕です!!」と開き直ってからの彼女が
もうとにかく可愛くて可愛くてたまらない。

沙代ちゃんは可憐なふりをする美しさだったけど
乙米さんは色気を出そうと頑張る、
今絶賛恋してます私!な乙女だった。

島の呪いの叫びにより地震が起きた時(だったかな?)
糸目石田さんが乙米さんを主人として守るにはあまりにも
好きな女を守る男の抱きしめ方、
乙米さんも守られる為に身を預ける抱きしめられ方をしてたので

「んふふっ、二人、好きって事で、良いんだよね…?♡」と
劇場じゃなければ昭和の小学生みたいに
「ヒューヒュー!」と声出してからかってたと思う。

二人が歩く後ろで
でっかい木で作った相合い傘を掲げたい。ぽろぽろ。

ちなみにパイプ目玉ぽんシーンが二番目に好き。
可愛い人は死に方も可愛いね。

【まとめ】

と、何となく聞いてた情報とは全く違う
180度真逆の感動を得ることができたので
とても楽しめました。

ちなみにねずみ男が公式サイトで「ある謎の少年」と書いてて
少年だったんだ君…!?と、
一番衝撃を受けた。

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