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私の眼球

 目が疲れたから眼球を裏返した。

 私の眼球はリバーシブル。表裏の2way。表が疲れたら裏返し、裏が疲れたら表に返す。ちなみに裏と表の見分け方は、裏の方がちょっとホクロが多い。

 眼球にホクロがある人っているよね。そんな人がいるって知ったときに沸いた、「眼球にまでホクロってできるんや〜」という気持ちがまだ新鮮な気持ちのまま残っている。新鮮なたまご。新鮮なものはいつだっていい。

 眼球を表に返した後に、「あ、最近裏で使い過ぎてしまっていたかもなあ。たまには表で使わなあかんなあ。」と反省した。慣れてしまって裏ばかり使い過ぎてしまったのだ。
 
 それからしばらく高頻度で裏表を交互に裏返して過ごすようになった。だが、ある朝その眼球の回転が急に止まらなくなったのである。私の眼球は回り続け、やがて私の目から勢いよく気流が発生したのだ。そのまま気流は私の体を地面から押し上げ天に向かってフライボードみたいにずんずんずんずん浮かせていった。もしもこれが海の上だと確実に「ヒュー!」と叫んでいたが今は地面の上である。気流はまだまだ私の体を押し上げ遂に大気圏に突入した。わ!息ができない!と焦っていると、丁度宇宙旅行に行っていたZOZOTOWNの前澤社長が助けてくれた。前澤社長はその鍛えた腕で私をヒョイっと抱え、ぶん!!!と地球に向けて放り投げた。前澤社長にありがとうとお礼を言い、私の体はそのまま地球に一直線に落ちていった。

どすん

どこかに着地したようだ。眼科だ。そのときようやく気づいたのだ。うわ、目がかすむ。ドライアイだ!!眼球から直接気流が発生したからドライアイになったんだ!前澤社長はそれに気づいてこの眼科に着地するように放り投げてくれたのだろう。やはりあの人はこういう所がすごい所なんだなあと感心して目薬をもらって帰った。

私のポケットにはありがたいことにAmazonギフト券が入っていた。なんて粋な人!

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