33年後に彼氏ができる少女
昭和の終わりに近い初夏に私は生まれた。
3人姉妹の末っ子で上の姉とは9歳と11歳離れていた。
私が生まれた時の家族の第一声は「また女かぁ」だったそうだ。
父は母の出産後、病院にすぐ駆けつけるでもなく、一体どういうつもりかは不明だが近所の人には「男が生まれた」と触れ回っていたという。
父はその時41歳だった。
そんな父だったが年の離れた娘の私を自身の年齢も相まって孫のようにかわいがってくれた。
欲しいものはいつも父が買ってくれたし、だいたいのことは泣けばどうにかなっていた。