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【スマルナユーザー535人に聞きました】女性の健康に関する意識と行動の関連性からみる婦人科へのアクセスと課題について

 オンライン診察でピルを処方するサービス「smaluna」(以下、スマルナ)では、ユーザー535人を対象に、婦人科に関するアンケート調査を実施しました。

 スマルナでは、ウィメンズヘルスという視点から、生理やカラダの悩みをはじめ、女性の健康問題やSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する調査を実施してきました。ユーザーの皆さまからは、これまでに数千件を超える回答をいただいており、女性の抱える心身に関する潜在的な声が多く寄せられています。

 今回は、産婦人科医師にご協力いただき、女性の一生涯にわたる「健康」という観点から、日々スマルナをご利用いただくユーザーの皆さまを対象に、女性の健康に関する意識と行動の関連性からみる婦人科へのアクセス状況や課題について考察しました。

※このレポートで記載している「女性」とは生物学的女性を指しています。

ウィメンズヘルスは、女性特有の疾患の治療や予防といった直接的にカラダに関する問題だけではなく、仕事や家庭、育児などの人生における役割の変化やその生活の質(QOL)の向上を目的として、心身面のみならず社会的な側面をも総合的に捉え、身体の構造やライフスタイルの性差にも注目し、女性の意思を尊重した医療分野とそれを取り巻く動きのことです。

【スマルナユーザー535人に聞きました】女性の健康に関する意識と行動の関連性からみる婦人科へのアクセスと課題について


まずはじめに、今回の調査にご協力いただいた、医療法人大生會さくま診療所 の佐久間航先生をご紹介します。

医療法人大生會 さくま診療所 佐久間航先生
産婦人科専門医、母体保護法指定医、日本東洋医学漢方専門医


①婦人科受診および婦人科検診(子宮頸がん検診や乳がん検診など)について

 まずは、婦人科の受診有無と婦人科検診(子宮頸がん検診や乳がん検診など)の経験について聞いてみました。

 「婦人科を受診したことがある」と回答した人が89.2%で、そのうち「オンライン診察のみ受診をした」という人が3.2%と、企業が行ったグローバル調査における日本の女性の婦人科受診率(※1)と比較しても、スマルナユーザーは婦人科受診率が高いということがわかりました。また、婦人科検診(子宮頸がん検診や乳がん検診など)を受けたことがあると回答した人も73.6%と、婦人科検診率も高いという結果が出ています。

(※1)出典:2022年4月19日公開 「ロシュ・ダイアグノスティックス、女性の婦人科受診に関するグローバル意識調査を5か国で実施」

 一方で、「婦人科を受診したことがない」と回答した10.8%の人に、その理由を聞いてみました。すると、「婦人科に行かなければならないような症状や不調がないから」が46.6%と最も多い理由として選ばれました。

 さらに、「婦人科検診(子宮頸がん検診や乳がん検診など)を受けたことがない」と回答した26.4%の人にその理由を聞いたところ、婦人科受診をしたことがない理由と同様に「思い当たる症状や不調がないから」38.3%という回答が多く選ばれました。

 また、婦人科検診を受けたことがないと回答した人を年齢別でみてみると、18〜29歳が約7割と、若い世代の方の検診率が低いということがわかりました。

  ★佐久間先生に聞いてみました!『婦人科検診とは?』

『婦人科検診とは?』
婦人科検診は、女性の生殖器や乳房の健康をチェックするための定期的な健康検査のことで、一般的には子宮頸がん検診や乳がん検診などが挙げられます。定期的に婦人科検診を受けることは、病気や異常の早期発見や治療を可能にし、女性の健康を守る重要な手段となります。

②性感染症検査について

続いて、性感染症検査の経験有無についても聞いてみました。

 「性感染症検査を受けたことがない」と回答した人は65.8%で、受けたことがない理由としては「思い当たる症状がないから」77.3%と最も多い理由として選ばれました。

  ★佐久間先生に聞いてみました!『性感染症検査とは?』

『性感染症検査とは?』
性行為によって感染する細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体が体内にいるかどうかを調べる検査です。この検査は、感染の早期発見や治療のため、また、新しいパートナーができた場合や症状がある場合に感染リスクを評価するために行われます。性感染症は性行為によって広がり、性的接触によって感染する可能性が高いため、自分の感染リスクを理解するためにも定期的な検査が重要です。

 婦人科受診や婦人科検診、性感染症検査を受けたことがない理由として、「婦人科に行かなければならないような症状や不調がないから」「思い当たる症状や不調がないから」という回答が多く寄せられた一方で、「現在、婦人科に関する自分の身体の悩みや不調を感じていますか?」という質問に対して約4割が「はい」と回答しています。また、その症状や不調について聞いたところ、生理に関する症状が多いということがわかりました。

③婦人科受診に関する現状と課題

 多くの人は病気や不調がない限り婦人科を受診しない傾向があり、特に婦人科の健康に関しては症状が明確に表れない場合において、受診の必要性についての理解が不十分だという現状が明らかになりました。また、症状があっても婦人科への物理的・心理的なハードルから婦人科の受診がためらわれることがあるということもわかりました。婦人科へのアクセス改善のために、正しい情報を周知する必要があると考えています。
 自身の健康状態に不安を感じていない場合、婦人科への受診が後回しにされてしまっているという現状は、予防的な健康管理の観点からは重要な課題です。症状が現れる前に早期の検査や相談が受けられれば、疾患の早期発見や予防が可能となります。

そこで最後に、佐久間先生にそもそも『婦人科は何をしに行くところなのか?』を聞いてみました。

  ★佐久間先生に聞いてみました!『婦人科検診って何をしにいくところ?』

(佐久間先生のコメント)
 もしかすると婦人科を訪れることに恥ずかしさや抵抗を感じていたり、周囲に婦人科に通院していることを知られたくないという心配もあるかもしれません。しかし、医療機関には患者さんの情報を厳密に保護する法律や規制があるため、婦人科医や看護師は患者さんのプライバシーと尊厳を尊重します。また、セックスや妊娠に関する質問や相談は健康に、そして幸福に生きることに非常に重要なもので、タブー視する必要は全くありません。婦人科はお産をする人だけの場所ではなく、女性の健康に関連した問題を解決に導く場所です。もし気になることがあればどんどん質問して、医師や看護師の適切なアドバイスを得ていただければと思います。

 スマルナは、自身のカラダに症状や不調が感じられない場合であっても、婦人科の受診が健康維持と予防の観点から重要だと考えています。そのため、スマルナをご利用いただく皆さまに定期的な婦人科受診を推奨しています。最適なタイミングで医療へ、そして婦人科へアクセスいただけるよう、スマルナに連携する医師や助産師、薬剤師が予防医療の領域から健康課題に対し総合的にサポートしてまいります。

 スマルナでは引き続き「ココロとカラダが健康で、ワタシらしい人生を選べる世の中をつくる」というミッションの実現に向けて、女性の心身の健康課題の解決を目指しSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)の社会実装を推進してまいります。

■調査概要
調査対象:スマルナユーザー535名(女性)
実施期間:2023/08/02~2023/08/10
調査方法:インターネット調査
回答者年齢分布:10代 1.7%、20代 40.6%、30代 38.5%、40代 16.6%、50代以上 2.6%


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