見出し画像

同音違語- にわにはにわにわとりが・・・③

こんにちは。

年度始めで気忙しくしておりましたら一週遅れてしまいました💨 

こんな時こそ、Eile mit weile(急がば回れ)ということで。。


さて、シリーズ最終3回目です。今回は、2つの意味ある同音文字で、音節がバラバラであることが笑いになっているものです。

一つ目は、ここ数十年来の海外におけるSUSHIブームと共にすっかり定着したワサビ、にまつわるジョーク。


WASABI

Ein Japaner geht in ein bayrisches Feinkostgeschäft und fragt den Verkäufer: "Haben Sie diese Paste aus geriebenem grünen Meerrettich?"...sagt der verkäufer "Wos hab i?" -"Genau!" ある一人の日本人が、バイエルン州にある高級食材店でお店の人に尋ねます。「緑の西洋ワサビ(ホースラディッシュ)をおろしてペースト状にしたもの、おいてますか?」「何だって?」「そう、それです!」

→店主の「何だって?」(「私が何を売ってるって?」)がドイツ語で「Wos hab i? 」となっていますが、これが「ヴォサビ」と聞こえることから、日本人客は自分の買い求めるものが「ワサビ」だと理解してくれたと思い、「それです。」と答えて会話がチグハグになるという笑い話です。

ここのポイントは、バイエルンの高級食材店だということです。店主にバイエルンの方言を話させています。

標準ドイツ語なら「何だって?」が「Was habe ich? ヴァス ハーベ イッヒ」となり、ワサビと聞き違うことは(ほぼ)ありませんが、ネイティブの速さで自然に発音すれば標準ドイツ語でもワサビに聞こえる説はあります(笑)。

次。メルセデス(車)が出てくるものです。

Mercedes

Egal wie viele CDs du hast, Carl Benz hatte Mercedes. 君がどんなにたくさんのCD持っているにせよ、カール・ベンツはメルセデスを持っていたよ。

→ 文字で見ると、文章に整合性がありません。しかし音だけ聞くと、Mercedes(メーアツェデス)部分がmehr CDs(メーアツェーデース:より多くのCD)と音節は異なるものの、音が類似しています。よって『君がどんなにたくさんのCDを持っているにせよ、カール・ベンツはもっとたくさんのCDを持っていたよ。』と理解できるのです。ここにカール・ベンツという、ダイムラー・ベンツの創始者の名前を入れているのもメルセデスと掛けてのことですね。

では最後。これはド直球のダジャレです。

魚の挨拶

Treffen sich zwei Fische. Sagt der eine "Hi!" der andere "Wo?" 二匹の魚が出合う。一匹が「やぁ!」と言うと、もう一匹が「どこ?」と言う。

→やぁ、という呼びかけ、英語でもおなじみのhiは、ハイと発音しますが、これと同音異義語に Haiがあります。こちらは鮫、という意味です。海で出合った二匹の魚の一言目が「さめ!」である可能性もなくはないですね(笑)。それで言われた方が普通なら「やぁ!」と返すところを「どこ?!」と返しているという場面です。

ジョークや笑い話を解説するほど野暮なこともありませんが、このように、使われる言語の言葉を知らなければ理解できないものもあれば、逆に、政治的、社会的風刺を含むような小話の類であれば、一般的な歴史的、社会的共通認識を携えていれば言語を超えて理解出来ます。

ユーモアには、市井の憎めない人々を笑いのネタにする落語や、漫才(ドイツにもこれに似た、ボケとツッコミのある2人芸があります)、政治家への辛辣な皮肉を含むアネクトードまで、様々な笑い芸があります。

今、私の手元には10年以上も前に購入した早坂隆著の、『世界のイスラムジョーク集』、『日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争編』、『日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争編』などがありますが、その他ロシア語同時通訳者の米原万里氏、イタリア語通訳の田丸公美子氏の著作の中に出てくる数々の笑い話も多いに楽しませてもらいました。

シャレにならない現実が繰り広げられる場所で、名も無き日常を慈しむユーモアと共に人々が生活を送る日が再び戻ってきますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?