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デジLIGリーダーズ講座① まとめ

はじめに

デジLIGを卒業して数ヶ月経ったある日、
「リーダーズ講座始めます」
というツイートを見つけた。読んでみると、講師はtwitterでお見かけするあんな方やこんな方々…。しかもデジLIG在校生は無料で受講可能とのこと。うらやましすぎる。

卒業生から「有料でもいいから受講したい」をいう声もあがっていて、私も「受講できないかな〜」と、期待しないように期待していた(笑)。

するとしばらくしてこんな案内が。

「リーダーズ講座、条件を満たせば卒業生も受講できます」

卒業生も受講できる!しかも無料!!太っ腹すぎる。すごいぞデジLIG

講座の予定は以下の通り。

川端 康介氏 (nanocolor代表取締役社長)
ムラマツ ヒデキ氏 (株式会社クオートワークス代表取締役)
浦川 航氏 (株式会社シフトブレイン プランナー / コピーライター)
今村 玄紀氏 (BEES&HONEY株式会社代表取締役社長)

初回講座はnanocolor代表取締役社長 川端康介氏。
内容盛りだくさんだったので、特に印象的だったものを
まとめました。
(後で見返せるよう、できるだけ原文に沿った表現で残しています)

BRANDINGとMARKETING

第1回講座のテーマは「BRANDINGとMARKETING」

「ブランディング」と「マーケティング」は、「ありたい姿」と「あるべき姿」に似ている。企業視点の「ありたい姿」がブランディングで、顧客視点の「あるべき姿」がマーケティング。

役に立つから選ばれ、期待を超えたから手放せず、顧客がそこに意味を見出し、選ばれ続けることがブランディング 。

市場に選ばれることがブランディングのスタートであり、そのために消費者に対して自社ブランドを選択しやすいと認識させることが必要。そのためには圧倒的な顧客理解が必要であり、この観点を無視した「ブランドの想い」 (ありたい姿)だけを表現しても選ばれることはない。世界観やロゴによって生まれるものではなく、地道に市場から求められている ニーズに対して応えるために最適化し続けなければいけない。それが「あるべき姿」。

この2つが分断されているため、「ブランディングしたが効果がない」という相談を生んでしまっているとのことだった。

「ブランディングしたが効果がない」 はなぜ起こってしまうのか

講座では以下の5つの原因が挙げられていた。

#1
概念や意匠の設計は行うが、仕組みの設計=ブランドマーケティングを実施できていない

ブランドの「ありたい姿」と同時に、選ばれる為の「あるべき姿」も同時に模索し続ける取り組みや体制が重要だが、そこが断絶してしまっている。(⇒ありたい姿に偏りがち)

#2
多様なニーズをもつプロモーションターゲットの解像度が低い

ブランドターゲットの抽出までは行っているが、多種多様なニーズを持ったプロモーションターゲットを意識できていない。タッチポイントと役割に応じてコミュニケーションをチューニングし最適化することが重要。(⇒ブランドターゲットをひとかたまりで捉えるのではなく、プロモーションに適した形で細分化することが必要)

#3
ブランドの「存りたい姿」だけを求め「あるべき姿」を追求していない

今目の前にいる消費者が求めている「あるべき姿」が表現できず、且つ事業戦略に紐づいていない。 ありたい姿を守りたいが売れないので目先の手法論だけをかいつまんで実施するという、負の連鎖が発生している。
(⇒「やること」が先行して「なんのため?」が置き去りになるので、対応が場当たりになってしまう)

#4
表層面のみのブランドの一貫性を求め、タッチポイント毎の最適なコミュニケーションができていない

ブランディング戦略に基づいたコミュニケーション最適化も重要。認知度が低いにも関わらず新規獲得用の広告 バナーの全てがブランドロゴだけのクリエイティブだとクリックもCVも生まれにくい。

#5
選ばれるためのコンセプトと選ばれ続けるパフォーマンスのバランスがブランドの信頼に

そのブランドを選びたいと思わせるコミュニケーション(コンセプト)に対し、プロダクトのパフォーマンスが消費者の期待を下回ると、ブランドに対する信頼が生まれないため選ばれ続けることができない。
「コンセプト > パフォーマンス」とならないよう気をつける必要がある。(⇒期待値が低すぎると選んでもらえない、高すぎると再購入に至らない…)

では、最適なコミュニケーションとは?

「ブランディングしたが効果がない」の#3 にもあったが、コミュニケーションを考える際、「どのように売るか」という売り手視点のHOWにばかり目を奪われることが多い。最適なコミュニケーションはこの通り。

  1. 「消費者にとっての便益(WHAT)」と、「消費者(WHO)が求める価値」のイコール精度を高める

  2. 「WHAT、WHO」と、ブランドのありたい姿(WHY)をつなぐために最適な「コミュニケーション(WHERE × HOW)」を設計する

こんなときどうする?

① 薬機法などの規定が厳しくて、効果を伝えるのが難しい…

→ 企業が提供できる効果に対し、消費者に意味をもたせて便益に変換することが必要。WHOが感じる「価値」と 売り手が意味付けした「便益」のマッチングが選ばれる起点となる。

② WHOはCVした人/しなかった人の2種類だけ?

→ CV層/非CV層を5タイプに分け、CVまでの距離と目標との差異によって優先度とアプローチを策定するとよい。

③ 競合との差別化って重要?

→ 差別化されていなくても自分にとって便益があれば選ばれる。差別化は自社ブランドを選ぶ理由であり、差別化が目的ではない 。ニーズと自社ブランドの独自性を見出すには、競合ブランドの購入者口コミが参考になる。

④ N1が見つかれば成功する?

→ その1 人がニーズの中央値なのか、稀有な存在なのかは見極めが必要

⑤ ニーズをキャッチするにはどうすればいい?

→ 生活文脈に生じる「不(不満、不安、不便…)」を整理するとよい。状況や時間軸などの生活文脈を軸に、自社ブランドの介在価値が生まれる領域を見定めるとよい。

おわりに

デジLIG「ライブ講座」も現場の実務レベルのお話が聞けるとても良い講座なのですが、業界を牽引する方々の考え方に触れられるという点において、リーダーズ講座は特に素晴らしいものだと感じています。

今回の講座では「具体的事例〜抽象度を上げた視座を高めた考え方」までお話いただき、講義内容はもちろん、納得性を高める話の構成・話し方のすべてに学びがありました。

私は意匠的に美しいものより、ファクトを集めたり効果を追う方にずっと興味があるタイプで、現在はECの学習をしています。実務経験が無いためまだピンとこない内容(タッチポイントごとの最適なコミュニケーション)もありましたが、必要な考え方を知ることができたので1つずつ追いかけていきたいと思います。

最後に、卒業生にまで貴重な受講機会を与えていただき、デジLIGには深く感謝いたします。どうもありがとうございました!

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