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アトピー性皮膚炎の光線療法(エキシマライト)手荒れへの効果

こんにちは。元化粧品メーカー研究員の薬剤師ライター なな と申します。

私は子供のころからアトピー体質で、大人になってかなり改善したものの、常に血がにじむほどの慢性的な手荒れに悩まされ続けていました。
長年ステロイドのぬり薬をぬり続けても改善せず、半ば諦めていたのですが、最近改めて治療法を調べてみたところ「光線療法(エキシマライト)」というものを見つけました。
光線療法について調べていると皮膚科クリニックのホームページなどは出てくるのですが、実際に治療を受けている患者さんの感想などは見つけられませんでした。
そこで今回の記事では光線療法の概要と、治療を受けた感想を書こうと思います。

光線療法(エキシマライト)とは

光線療法とは、紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮膚の症状やかゆみを抑える治療方法です。
紫外線のUVBのうち、より治療効果が高い波長の紫外線を照射することで、さまざまな皮膚疾患の症状改善が期待できます。
ステロイドなどのぬり薬だけでは改善しないアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、円形脱毛症などの皮膚疾患に有効で、色素細胞(メラノサイト)を刺激して色素再生を促すため、白斑の治療にも効果があります。

エキシマライトは従来の紫外線療法と比べてより効果が高いと言われている308nmの紫外線を、患部だけに照射できる治療機器です。広い照射により健常な皮膚への影響もあった従来の機器と比べて、病変部位にのみにターゲットを絞った照射ができるようになったため、照射時間が短くなり、外来でスピーディーに治療ができるようになりました。

痛みや副作用は?

痛みや副作用はほとんどなく、照射時にほんのりあたたかく感じる程度です。
照射量が強すぎると赤みや色素沈着を起こしてしまう場合があるため、はじめは少ない照射量から開始し、照射後の皮膚の状態を確認しながら照射量を調節します。
紫外線は皮膚がんのリスクを上昇させますが、エキシマライトをはじめとするUVB療法は皮膚がんのリスクを上昇させないという報告があります。

費用は?

治療は保険適応で、3割負担の方の1回あたりの治療費用は1000円程度です。

頻度と治療期間は?

治療には週に1回程度の照射が必要で、特に治療開始直後は週2~3回の連続した治療を行うと効果が高いといわれています。
治療期間は2か月~半年程度で、効果には個人差がありますが、5〜10回目から効果を認め、20〜30回程度が目安です。

アトピー性皮膚炎と光線療法

紫外線には皮膚の免疫に関係する細胞の働きを抑制する作用があり、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を改善する効果が期待できます。
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、光線療法はアトピー性皮膚炎における有効な治療法の一つであり、ぬり薬だけではなかなか良くならない方やこれまでの治療で副作用を生じている方には特に有効であるとされています。
アトピー性皮膚炎では「かゆみと搔破(かきむしること)の悪循環」により、症状が治りにくくなる傾向があります。光線療法はかゆみを抑える作用があり、通常のぬり薬や抗ヒスタミンの飲み薬ではおさまらないかゆみにも有効です。
光線療法により長期間にわたって寛解状態(病状がおさまっている状態)を維持できるため、ステロイド外用薬の使用量や副作用を減らすことができます。

実際に光線療法を受けた感想

個人差があると思いますが、私は週2回の照射からはじめて、2~3回目から効果を感じました。治療前は両手とも全体的に荒れて、赤くなったり血がにじんだりしている状態でしたが、治療開始から2か月ほど経った現在では、1週間に1度程度の照射で、週の後半になってくると少しかゆみや赤みが出てくるものの、血がにじむほど荒れることはなくなり、症状がかなり改善しました。
主治医の先生からは副作用や治療方針について初回にしっかり説明を受け、理解してから治療を開始しました。症状が改善してきたら徐々に照射の間隔を長くしていき、2か月~半年程度で治療を終えるそうです。

さいごに

アトピー性皮膚炎の光線療法について、簡単に説明しました。
治療を受けてみたいと思われた方は、光線療法を導入している病院で医師に相談してみてください。光線療法はどこの皮膚科でも導入されているわけではないので、私は「エキシマライト+地域名」で検索して病院を探しました。
この記事が、なかなか治らないかゆみや荒れにお悩みの方や、光線療法を検討されている方の参考になれば嬉しいです。


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