赤いソファを眺めながら

ハローハロー。
こちら大学生のおみたろう。

一人暮らしの部屋には、僕が入居時に一目惚れをして購入した真っ赤なソファが置いてある。気取ったソファだよね。

まさにこれ。

これが中々に部屋を圧迫してるんだ。買った時はこのソファの素敵な使い道をアレコレ模索したものさ。でも今となっては乾いた洗濯物が畳んで置いてある。なんだかこのソファの赤という色、その浮かれ具合が、どうも3年生にもなった僕には重たく感じてしまう。特にこの秋という季節には似つかわしくない。

赤ソファ哀しからずや紅葉の赤恥の赤にも染まずただよふ

一句読めてしまった。周知の通りこれは若山牧水先生のパロディだ。また一つ偉大な句を汚してしまったというわけだ。世界が汚染される日は近い。

思えばこの赤ソファを選んでしまった自分は盲目的だったし、それはかなり闘牛に近い行為ではないかと思われる。僕は心の赴くままに赤に突っ込み後悔する闘牛だ。ならばこの赤ソファにはさるオペラに出てくる絶世の美女の名を与えよう。

カルメン。

それが今日から君の名前だ。これからもよろしくね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?