#小説
手足が寒い。
歩いても歩いても寒い。
30分は歩いた。
公園の赤塗りがはげたアスファルトの歩道をぐるぐると。
頭の中のぐるぐるに合わせて酔っていたんじゃないか。
薄着で鼻水が出てきてる。
なんとなく良さそうだから。おおよそ消極的な理由で走ってそうなランナー。
パーカーのフードを頭に被り、腿は使わず惰性でつんのめってる。
フードに合わせてテキトーに新調した風の安っちいシューズ。
動きに活力がない。
身体は走ってるのに心はそっぽを向いてる。
人間観察って意外と面白いかもしれないとか思いながら、全く暖まらない手の冷たさをも感じながら来た道を戻る。
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