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歴史研究と一次史料歴史の研究にあたっては、史料、とりわけ一次史料と呼ばれるものを論拠としながら議論を進める必要があります。 一次史料とは、現代の研究者による二次文献とは異なる、過去に書かれた書物や文書、発掘された遺物や絵画などのことです。『古事記』や『日本書紀』のような歴史書、『御成敗式目』のような法令集をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。 現代の研究成果である二次文献の蓄積を踏まえながら、一次史料を論拠として示しながら過去の姿を再構築し、議論を進める。これが
はじめに本記事では、ラテン語で書かれた中世西ヨーロッパの証書 charters の読み方を解説していきます。特に、今回は証書の最初に来る挨拶文 salutation について解説をしていきます。 挨拶文と言えども、最初から省略があったりするなど初学者が躓きやすいところなので、なるべくわかりやすく解説をしていこうと思います。 挨拶文ラテン語で書かれた中世西ヨーロッパの証書では、どのような出だしで書かれているのでしょうか。まずは、いくつか事例を提示してみることにしましょう。
はじめに本記事では、ラテン語で書かれた中世西ヨーロッパの証書 charters の読み方を解説します。今回も、前回に引き続き証書の最初に来る挨拶文 salutation について解説をしていきます。 前回の記事では挨拶文の基本的な構造についてお話をしました。今回は前回触れられなかった「間接目的語」の部分についてお話をしていきます。 前回、今回の両記事を合わせて、ラテン語の証書における挨拶文の基本的な読解を行うための知識を習得できます。 挨拶文今回も、前回用いた四つの文
はじめに前回、前々回の記事では、中世ラテン語で書かれた証書の挨拶文について解説しました。 今回はさらに一歩進んで、中世ラテン語で書かれた証書の読解をしていこうと思います。本記事では「証書に書かれた土地や権利の譲渡内容について読み解く」ことをテーマに解説を進めていきます。 中世の証書は時代を経るごとに様々な発展を遂げていき内容も複雑になっていきます。そのため、この記事ですべてのパターンを網羅することはできませんが、まずは12世紀初頭の比較的シンプルな形のものを例に挙げて解
はじめにこれまで三回にわたって、中世ラテン語で書かれた文書についてみてきました。 今回は文書の後半に登場する、証人欄、発給地、発給日について解説をします。題材として用いるのは前回の記事でも引用したイングランド王ヘンリ一世の名で発給された二通の文書です。ただし、いずれも証人欄、発給地、発給日の文章自体は簡潔なため、証人欄については少々深く解説を行いたいと思います。 今回対象とする文書今回対象とする文書は『アングロ=ノルマン王の事績録』第二巻にある、イングランド王ヘンリ一世