どう違う? ウォーハンマーシリーズの違いを解説
このページを見ているということは、ミニチュアゲームのウォーハンマーに興味を持ったものの、種類が多すぎてわからない……といった悩みを抱えているのかもしれない。
それを前提に話を進めていくため、この記事では“ウォーハンマーとは何ぞや”ということには触れない。もしまったく知らない人がいたら、過去に自分が寄稿させてもらった紹介記事でも見て欲しい。情報は古いが大筋はつかめるハズ。
確かに、ウォーハンマーは世界観によって大きく2つ(細かく分ければそれ以上……)に分かれているし、そのうえで昨今はさまざまなスピンオフ的な単独ゲームも出ているので、初心者にとっては“どのミニチュアで何が遊べるのか”がわかりづらくなっているのは否めない。
ということで図を作ってみた。ちょっと文字が小さいので、申し訳ないが拡大して見て頂きたい。
ウォーハンマーは大きく分けて2つの世界線がある。神話ファンタジーである“エイジ・オヴ・シグマー(通称AoS)”と、SFの“ウォーハンマー40,000(通称40k)”だ。
ちなみに、AoSと40kに関してはゲームの基本的なルール部分は無料でダウンロード可能。コアブックにはルールに加え、膨大な設定やギャラリーが含まれている。ルールは公式サイト下部にあるリンクからアクセスできる。
「ウォーハンマーを遊ぶ」と言えば、基本的にはこの2つが該当する。注意してほしいのは、どちらの世界線にも存在するディーモンを除き、ミニチュアの互換性はないということ。ルールも微妙に異なるため、ファンタジーのミニチュアはファンタジーのルールで、SFのミニチュアはSFのルールでしか使えない。可能な限りコストを抑えて両方を遊びたいなら、ディーモンを選ぶのも手だ。
さて、ここでひとつ問題がある。ウォーハンマーは軍勢vs軍勢の戦いを楽しむゲームなので、使うミニチュアがなかなかに多い。数あるミニチュアゲームのなかでも、間違いなく多くのミニチュアを使用する方だ。お値段も決して安くはないため、初心者がいきなりガガッと買い揃えるのは難しいだろう。たまにそんな猛者もいるが。
ということも考慮してか、ここ数年は10体に満たないくらいの少数のミニチュアで遊ぶ、スカーミッシュと呼ばれる形式のゲームを打ち出してきた。ファンタジーでは“ウォークライ”、SFでは“キルチーム”がそれに当たる。
なおウォークライやキルチームは、AoSや40kとも違う独自のルールを採用しているため、遊び心地はやや異なる。とはいえ、ウォークライはAoSと、キルチームは40kとミニチュアの互換性がそれなりにあるため、スカーミッシュを遊びつつ、大本のAoSや40kの準備をするのも手だ。
いわゆるミニチュアゲームとしてのウォーハンマーを遊びたいなら、この4つから選ぶといい。それぞれのルールの中でどれを買えばいいか迷ったら、自分が言える答えは2つだ。「自分の気に入ったミニチュアが入っているやつ」か、「ルール同梱のスタートセット」のどっちか。
ミニチュアゲームは、やはりミニチュアありきのゲームだし、愛着を持てるミニチュアを選んだ方が楽しいと思う。
ルール同梱のスタートセットは初期投資としてはお値段が張りはするものの、それぞれを単品で買うよりもかなりお得に大量のミニチュアが手に入る。
2勢力の対決セットになっているため、自分で2勢力作って遊んでみてもいいし、誰かとシェアするのもいい。内容量によって3段階のスタートセットが用意されているので、お財布と相談して決めよう。ただ、お得度はコマンドエディションが段違い。かつ小型の完全ルールブックは現状コマンドエディションでしか入手できないため、既プレイヤーにも需要があるセット。
一方で、「見た目よりもゲーム的に強いのが欲しい!」という人もいるだろう。そういった人はミニチュアゲームショップの店員かTwitterでアドバイスを求めるといいかもしれない。ウォーハンマーは定期的に駒のステータスなどが更新されるため、何が強いかはそのときの環境しだいだからだ。
で、それ以外のゲームはどうなのか、というのも一応フォローしておこう。今回は現在ゲームズワークショップのサイトで買えるものを中心に言及する。
●アンダーワールド
AoSのスピンオフゲーム。通常、ミニチュアゲームではミニチュアを移動させる際にメジャーを使って距離を測るが、アンダーワールドはヘックス状のマス目に区切られたボードを使用するため、メジャーいらず。自分のウォーバンドを組み、特殊効果が書かれたカードデッキを用意して対戦する。
プレイ感はデッキ構築要素を入れ込んだボードゲームに近く、ミニチュアゲーム感は薄め。プレイヤーがそれなりにいるのと、必要ミニチュア数がかなり少ないので始めやすい。
●ブラッドボウル
AoSの前身となったウォーハンマー ファンタジーバトルの世界設定を下敷きに、それをちょっとアレして戦争ではなくフットボールをさせたゲーム。説明が微妙に面倒。
ゲーム的には敵を殴り倒しながら点を取り合うアメフトゲーム? なんだかんだで未プレイなので詳しくはわからない。ごめん。プレイヤー数は“いなくはない”くらいの感覚なので、然るべき場所に行けば遊べるはず。
●アポカリプス
スピンオフではなく、40kの追加ルール。通常の規模の戦いじゃ満足できなくなったミニチュア資産持ちたちが、これでもかというくらいの規模のミニチュアを持ち寄って戦う超重量級ゲーム。ミニチュアが集まってきて、やりたくなったらやる感じだが、2020年現在は基本ルールの版上げタイミングなので、遊ぶにしても新ルール待ちかもしれない。
●ネクロムンダ
惑星ネクロムンダの積層都市で縄張り争いを続けるギャングたちに焦点を当てた、40kのスピンオフゲーム。ゲーム形式としてはスカーミッシュ系だが、ややルールが細かく煩雑なため、スカーミッシュ系統では重め。
個性豊かなギャングたちや独特のルールで熱狂的なファンが多い。プレイヤー人口は局所的に多く、全体的にはそれほどでもないといったところ。もしその“局所”が近場にあれば問題なく遊べるはず。
●ブラックストーン・フォートレス
40kの世界観で遊ぶ協力型ミニチュアボードゲーム。これも未プレイなので詳しくはないが、複数のプレイヤーで協力しながらダンジョンハックしていく感じのゲームなはず。
定期的に遊んでいるプレイヤーはあまり見かけないが、たまに観測できる。
●タイタニカス
40k世界の巨大ロボ“タイタン”を使って遊ぶスピンオフゲーム。タイタンは通常の40kの縮尺ではめちゃくちゃでかいモデルになってしまうので(それも売ってはいるけど)、タイタンをメインのユニットにすることで縮尺を調整。それゆえに40kとは混ぜて使うことはできない。ゲームは未プレイなので詳細は割愛……。
正直言っちゃうと発売当初くらいしか遊んでいる姿を見たことがない。が、ミニチュアがカッコイイからかペイントコンテストなどではちょいちょい見かける。
●エアロノーティカ
簡単にいえばタイタンの戦闘機版。戦闘機によるドッグファイトを楽しむ感じ……だと思う。たぶん。これも未プレイなのでごめんするしかない。
そしてこのゲームもタイタニカスと同じかそれ以上プレイヤーを見かけない。ペイントコンテストでもあまり見ない……。
●ミドルアース ストラテジー・バトル・ゲーム
ウォーハンマーではなく、指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)やホビットの世界を使ったミニチュアゲーム。映画の知名度もあるためか、ルールが英語しかない割にはそれなりにプレイヤーがいる。
ちなみに……Forge Worldと呼ばれるゲームズワークショップ系列の別スタジオがあり、そちらでは“The Horus Heresy(通称30k)”というシリーズが展開されている。40kの約1万年前に発生した“ホルスの大逆”という大規模な内乱を遊ぶゲームだ。
30kでは忠誠派と大逆派のスペースマリーン兵団を使ってゲームを行う。もちろん独自ルール(もちろん英語)なので40kとは互換性はない。しかし過去のパワーアーマーがどちゃくそカッコイイので、30kを遊んでいなくても40kのキットバッシュ用に30kマリーンを買っている人は少なくない。
ということで、現状(アポカリプスを除いて)買えるウォーハンマー(+ミドルアース)の種類を簡単に解説してみた。とりあえず漠然と「ウォーハンマーを始めたい」と思っているなら、AoS、40k、ウォークライ、キルチームあたりを見ておけば良いと思う。ボードゲームが好きならアンダーワールドもアリだね。
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