影響力の武器、売れ残りの商品を2倍で売る方法

   ある日のこと、アリゾナでインディアン・ジュエリーを営む女性が店でなかなか売れずに困っている商品がありました。それはターコイズ(トルコ石)で、値段の割に質のいいものでした。なんとかこの宝石を売ろうと、いくつかの正攻法を試しました。石を陳列ケースの目立つところに移して客の注意を引こうとしたり、売り場の店員に、その商品をもっと積極的に客に勧めるようにも言ったが、効果はなく失敗に終わりました。
 一体そこから、どのようにしてこの商品を2倍で売ったのか、、
彼女はとうとう頭ににきて売り場の主任に二分の一と書いたメモを渡して出張に出かけました。数日して見に戻るとその商品はすべて売れていました。しかし、その後彼女は驚くべき真実を知ります。メモを受け取った主任は、殴り書きされた二分の一二倍と読み間違えていたため、なんと商品の値段を最初の二倍の値段にして売り出していたのです。
それなのに宝石はすべて売れていたのです。
 一体この値段の変化は客にどのような影響をもたらしたのか、それは人間の思考の近道に影響されるものです。観光客の大半が裕福な客で、ターコイズについてたいした知識は持ち合わせていません。そこで宝石を買おうとしたときに、「高価なもの=良質なもの」という標準的な原理つまりステレオタイプを用いたのです。つまりこうした思考の近道に沿って行動するのが、結局は最も合理的で手っ取り早いことがわかる。こうした行動は固定的行動パターンと呼ばれ、

今回数回にわたって影響力の武器を紹介していくうえで大事な概念に    成りすます。


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