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ながとトレイルと林業のおはなし

山口県長門市は市の中心部から車で30分程の場所に海のレジャー・山のレジャーなど多くのアウトドアが楽しめる環境が整っているアウトドア天国です。
そのうちの一つが今回ご紹介する『ながとトレイル』です。
このトレイルは長門市の北西部に位置し西は妙見山展望公園から東の黄波戸温泉までを結ぶ全長18.5kmのトレイルです。道中は赤い鳥居が青く美しい海に向かっていくつも並ぶ様がインスタ映えで有名な元乃隅神社、日本の棚田100選にも選ばれた東後畑の棚田、広大な草原が印象的な千畳敷などの景勝地のほか、この地域のシンボルであるシイノキの樹林帯、竹林、杉林などの山林の景観も楽しむことができます。最高地点の標高は341mと高くはありませんのでお年寄りからお子様まで気軽に楽しめるのではないでしょうか。(標高は低いですが登山に関する最低限の装備はお忘れなく!)
途中に車を駐車できるポイントが数箇所ありますのでプランに合わせて好きなところから出発できますが、基本的にルートがワンウェイになっているので車を停めたところまで戻ってこなければなりません。(公共交通機関を使うなどすればなんとかなるのかもしれませんが、今回は西端の妙見山公園から中間地点あたりにある元乃隅神社までのルートをご紹介します。

スタート地点の妙見山展望公園は標高約240m。かなり大きな駐車場があるので満車で入れないなんてことはなさそうな感じです。トイレもあるので所用を済ませたらいざ出発です。トレイルのスタートは公園の奥の方にあるとの標識を見つけられます。ただしトレイルの入り口は狭く最初は通り過ぎてしまいました^^;

トレイルの西端の起点となる妙見山公園
ながとトレイルの看板は道中の道標です

スタートの直後はやや滑りやすいトラバースが続きます。下り坂で急な斜面もあるので気をつけて降りていきます。
何箇所かは写真のようにロープが張ってありますので滑らないように掴みながら降りて行ってもいいかと思います。

右側から左側に向けて傾斜があり滑りやすいです

ながとトレイに限らず登山道は雨などの自然の力や人が歩くことによっても崩壊したり自然環境に悪影響を及ぼす可能性もあるので定期的に補修する必要があります。ながとトレイルも『Nagato Trail Thinker(ながとトレイルシンカー)』というコミュニティを中心に定期的に補修活動が行われていて、上の写真のトラバースも私が最初に通った時はズルズルに滑っていましたが、2024年1月に補修を行い私もボランティアで参加しました。

ボランティアによって補修されたトレイル

トラバースを過ぎると、尾根道に入り心地よいトレイルの旅がスタートします。尾根に出ると基本的には尾根沿いに進めば道に迷うことはないと思います。要所要所で標識がありますし、道沿いにはピンクテープを巻いた木があるのでそれを頼りに進むこともできます。地面の境界杭も目印になります。

心地よいトレイルが続きます
境界杭も道中の道標になります

スタートから約2kmで次のピークである標高302mの高頭山に着きますが、正直どこがピークかは良くわかりませんでした。なので写真も撮っていません😅
次に目指すはこのトレイルの最高地点である雨乞岳です。雨乞岳には展望スポットがあり穏やかな油谷湾や俵山方面の山並み、そして日本海までを望むことができます👀

雨乞岳からの眺め

実はここ、生長したヒノキや広葉樹が視界を遮っていて、雑草も生い茂っていたので林業チームで修景伐採を行いました。およそ180度の展望が開け、眼下の街並み・そこを流れる川の軌跡、そして視界が良い日は世界遺産の福岡・宗像の沖ノ島も眺望できる絶景スポットになりました!

修景伐採後の雨乞岳からの眺め

ここからは下り基調のなだらかなトレイルがしばらく続きます。道中はこの地域を代表する樹種であるシイノキの林や竹林、杉林など植生の異なる山林を楽しむことができますので植物が好きな方も楽しめると思います。

気持ちのいいトレイルが続きます
道中は境界杭も目印になります。

妙見山公園から約4kmでシイノキ広場に到着します。巨木の存在は不思議とパワーをもらえるような気になってしまいます。

シイノキからパワーをもらう筆者、の図

このシイノキ広場も修景伐採を行ったポイントです。視界を広げ日本海を望める景観になりました。

以前のシイノキ広場
修景伐採後。この後もう少し視界を広げています。

シイノキ広場を過ぎると程なくで舗装道と出会います。本来のルートは舗装道を横断し真っ直ぐ進んで元乃隅方面へ向かうのですが、工事中だったのでやむなく舗装道を通って元乃隅神社を目指します。
途中は日本の棚田百選の東後畑の棚田の景観を楽します。

水が張られた田植え時期の夕陽やイカ釣り漁船が漁火を灯す夏の夜がおすすめとのことです

今回のゴールは元乃隅神社。

筆者は写真技術が低いですが、映えます!

いかがでしたか?
冒頭にも記しましたが、ながとトレイルは初心者でも入りやすいお手軽に自然を楽しめる環境なので気張らずに訪れてみてほしいと思います。ただ、この環境を整えるには人の力が必要で、過疎化・高齢化の進む長門市においてはトレイルの維持は大きな課題です。
長門市を、ながとトレイルを訪れる人がもっと増えて、その人たちの心を癒せるように、これからもできる限り環境維持の活動に加わっていきたいと思います。

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