5/16 凡人の話

Twitterのアカウント名を変えた。
「エロ垢かと思った」「何があった」と言われるが特に気にしないでほしい。深い意味は無い。


高校3年生の時、刑務所高校にいたせいで予備校に行けなかった私は参考書を使って独学で受験に臨んだのだが、1〜2年までまともに勉強していなかったせいで土台がボロボロだった。
もちろん独学で合格するのは不可能だった。

結局、一般利用で合格した短大(日本文学科)に進学した。
ここでは恩師に恵まれ、やりたい勉強もできたので今となっては満足している。

紆余曲折を経て歯科衛生学科に所属しているが、これまでやったことのない理系科目に泣きながら教科書と向き合っていた。

3年生の後学期から勉強を始めて○○点アップして合格しました!と言う体験記はよく聞くが、体験記というのは成功者しか語れないごく一部である。
歯科衛生士国家試験は95%前後が合格するが、かと言って簡単な試験では決して無い。

歯科衛生士国家試験は全220問で132点前後がボーダーラインだ。
(第30回では4問ほど削除問題=正解が曖昧だから採点に含まなかったやつがあるので129点がボーダーだった)

1.人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
2.歯・口腔の構造と機能
3.疾病の成り立ち及び回復過程の促進
4.歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
5.歯科衛生士概論
6.臨床歯科医学
7.歯科予防処置論
8.歯科保健指導論
9.歯科診療補助論

以上の9科目だが、たとえば臨床歯科医学では口腔外科、小児歯科、矯正歯科など分類されているので細かくわければもっと膨大な数になる(30科目くらいあったかも)。

私は家族が看護師なのだが、全身の解剖を勉強していたら
「なんで歯科衛生士なのに全身解剖やってるの?」
と聞かれた。

実は歯科衛生士もやるのだ、全身。
もちろん首から上、ひいては口の中に特化はしているのだが、他の医療系と同じように全身の機能や微生物、疾病の成り立ちなどを勉強する。
なんで歯科衛生士なのにこんなことやるんだ、という話は毎年聞くが、やらねば2年次からの臨床医学ができない。
それくらい土台が重要なのだ。

高校時代に自分が短期間に詰め込む独学が向いていないと痛感していたのでテストの2ヶ月前から計画を立てて復習をして、1週間前からは14時間机に向かっていた。
決して頭がいい人間では無いから、それくらいやって初めて人並みの結果を得られるのだ。
過去の自分が反省をしたおかげで、入学してから成績不振で困ったことはないが、大学受験の時に気付いていればなあと思うことは数え切れないくらいあった。

国語だけで人生を切り抜いてきたので、理系科目なんて一生使わない、何の意味があるんだ、と思っていたのに、今では英語ができなければ論文は読めないし、数学ができなければ卒業研究が進まない。
大学の勉強ができたとしても、高校までの学力が足りなさ過ぎるせいで非常に困っている。

私は放射線学が苦手なのだが、それだって物理や化学をしっかりやっていれば、
「タングステンの元素記号は?」
と聞かれて
「タングステンに元素記号あるの?」
と返答してヘッドロックを食らうこともなかった。
(タングステンの元素記号はW)

「長濱さんは何もしなくても勉強できるからいいよね」
と嫌味を言われたことも何度かある。
多分そう言ってきた人たちだって、私と同じくらい机に向かっていれば一瞬で追い越していくだろう。私はその程度の凡人だ。
ただ、他の同級生より歳を食っているが故に、学校で教えてもらえる勉強ならやればやるだけ身になるということを知っているだけだ。

勉強しなくても良かった、ということは人生で一つもない。
試験が無くても、一冊の本や漫画でも、知識のあるなしで内容の理解が全然違ってくる。深みが増す。
入学した1年生はそろそろ生活に慣れてきた頃だろう。
知識は身を助けるので日々の復習を大切にしてほしい。

あー早く実習終わってほしい。

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