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【重要】USPとMSPの違いとは?

Clubhouse2月17日放送分(第19回)議事録

多くの個人や企業が、
競合とどう差別化すればいいか
について日々悩んでいます。

少しマーケティングを
学んだことのある方なら、
「自分のUSPはなんだろう?」
と考えてみたことがあるかもしれません。

USP(ユニークセリングプロポジション)
とはすなわち「独自の売りの提案」のこと。

市場に競合がひしめくなかで
自社だけのキラリと光るものを指す、
広い意味での「差別化」要因をいいます。


有名なところだと、
ドミノ・ピザの
「30分以内に配送できなければ無料」
はUSPがうまくハマった代表例です。

当時、競合のピザ店は
どこもそんな施策はやっておらず、
同社がシェアを大きく広げる
きっかけになりました。

また、格安カットのQBハウスは
「10分1000円、カットだけ」という
従来の理容室の常識にはない
割り切った特徴で男性中心に
広く受け入れられました。

このように、
商品やサービスが競合に対して
相対的に優位な特徴があるとき、
USPがあるといえます。


かたや、今回
そのUSPとの違いを解説するのが
MSP(Me Selling Propositon)
です。

MSPとは、
あえて一言でまとめるとすれば
「作り手の背景」のことです。

人となりが伝わるもの、ともいえます。

例えば、
皮で作ったiPhoneケースがあったとします。
レザーのケースです。

そのレザーを作った人がどういう人なのか?
そのレザーケースには作り手の
どんな背景が宿っているのか?

モノとしての商品自体ではなく、
その人間の部分を明らかにしていくこと。

それがMSPです。

人をひきつけるほどのMSPがあれば、
お金を出してその商品を買ってもらえる
購買決定要因になりえます。


例えば、スーパーで
野菜が入ったパックを手に取ってみると
生産者の方の顔写真が載っていたりしますね?

あれなどはMSPを伝えようと
していると理解していいです。

ただし、あれだけでは
わざわざお金を出してもらえる
ほどにはなっていません。

まだ購買決定要因には至っていない。

逆に、
消費者をひきつけるような
生産者の強いMSPが
商品から漂っていれば、
それは立派な購買決定要因となり得ます。


MSPを前面に
押し出している例としては、
アパホテルがわかりやすいです。

お茶の間レベルだと
もはやホテル名そのものよりも
いつも派手な帽子をかぶった
元谷芙美子社長の顔のほうが
すぐに思い浮かぶ方多いのでは?

もはや競合との機能面での
差別化が難しくなっている
ビジネスホテル業界において、

芙美子社長がその強烈な
キャラクターで広告塔となることで
「あの社長のホテル」として
人気を博しています。


現代ではもう、
品質だけでは買ってもらえない時代になりました。

「いいものを作っていれば売れる」
そんな時代はとうに過ぎ去っています。

品質を押し出せば押し出すほど、
けっきょく競合との比較にさらされ
価格が安いほうを選ばれてしまいます。

だからこそ、「人」です。

つまりMSPを出す必要があるのです。


ここまで説明してきたことを
USPとMSPを対比しながら整理します。


USPといえば、商品ベース
MSPといえば、作者ベース

USP=何を?
MSP=誰が?

USP=競合との相対的優位
MSP=競合との絶対的違い


これまでの時代は
いかに優れたUSPを築くかが大事でした。

差別化要因となるもの。
独自の売りの提案ですね。

むしろ、
USPがないとお客さんから
何が理由で選ばれるかのかがわからない。

決め手に欠けるわけです。
だから決め手としての独自の売りをつくる。
これまではそういう時代でした。


ところが、
ここ10年くらいで
如実に傾向が変わって来ました。

もう何から何まで似て来てしまう。
自社がやったことがすぐパクられる。

インターネットは他者の様子を
すぐに、クリアに、知れてしまうから。


あっちがこう来たら、こっちもこうする
という感じで、相互に似て来てしまい、

「ライバルとの差別化だ、差別化!」
と必死になってはいるものの
結局、価格競争になってしまうんですね。

このようにもはや
商品の魅力ベースでは決め手に欠けるとなると
あとは人ベースで選ぶしかない。

人の魅力。

「あの人がいうからちょっとやってみようかな」

商品が何かはよくわかっていないけど
あの人が言うのならば買おうかな
という経験を起こさせる存在。

それがMSPがあるということ。


ちなみにクラブハウスの
MSPは何かというと、

クラブハウスの創業者の
話がやはりそれに該当するでしょう。

創業者2人のうち、ロハンの息子は障害者。

家から出れなくても、直接会えなくても、
世界中の人とフラットにつながれる場として
Clubhouseをつくりたいという
思いがあったのだとか。

肩書とか有名とかフォロワーだとか、
そういうもので人がジャッジされるのではなく
好きなものだとか何らかの共通点を通じて
人と出会い、語らえる場。

そんな創業者の思いが
反映されたストーリーこそが、
ClubhouseのMSPといえます。

なお、MSPにおいて大事なのが
「理想の未来」の提示です。

どこに向かっている存在なのか?
MSPを発揮することでどんな未来が訪れるのか?

ここをはっきりと明確にする。

漫画などはこれが
非常に露骨な形で表現されていますね。

ドラゴンボール「強くなりてぇ」
ワンピース「海賊王に俺はなる」
キングダム「天下の大将軍になる」
ブルージャイアント「世界一のジャズプレイヤーになる」


例えば、
私のYouTubeチャンネルの名前は
「書評王に俺はなる」。

これは私の思いや着地点が
込められた完全なるMSPです。

私は個人的な願いとして、
この世に「書評家」という存在が増え、
職業として広がっていくことを望んでいます。

その「書評王に俺はなる」の
MSPが発揮されると、
世の中に書評家が増えて
本を読んで感想を述べるだけで仕事になる。

職業としての書評家が生まれる。
かつてYoutuberが生まれたように。

それが私にとっての「理想の未来」です。


となると、
SNSのプロフィールなどで安易に
いくつも肩書を並べるなどは考えものです。

経営コンサル/空手家

みたいな。

他の人が見てて混乱しますから。
この人、何やりたいんだろう?と。
いったい何を目指しているのかと。

「理想の未来」が見えませんよね。

では、MSPを表現するには
どうやって整理すればいいのか?

「MSPの作り方」を解説します。


MSPを表すキャッチコピーみたいなものは、
つまるところキーワードの集合体です。

自分を表すキーワードを
徹底的に洗い出してみてください。

私、NISHIであれば、

・ノウハウマニア
・最新情報のハブ
・図解マニア
・オランダ移住
・聞きやすお声
・動物占いペガサス/エニアグラム4番
・企画名人
・娘三人自宅出産で私自ら取り上げる

こういったキーワードを
つねづねいろいろな人から指摘されましたし、
自分で強く感じているものもあります。

いずれも、私という人間を
構成する要素であることには間違いありません。

できれば、若い頃から自分を知る人に
「私ってどんな人?」と聞いてみるのがいいです。

自分で自分のことをどう思っているかよりも
相手に伝わっている自分像を知ることのほうが大事。
消費者にどう映るかを知るためです。


こうして自分だけしか持ち得ていない
特徴を2、3個組み合わせることで、
一つの象徴になるものを作りだす。

それがあなたのMSPになります。


ひょっとしたら
「自分がこんなこと名乗っていいのか?」
と気後れするような自分コピーが
出てきたかもしれません。

しかし、
自分を表すその象徴を、
勇気をもって端的な形で
表現できないことには
もはやユーザーに選んでもらえない。

まあ、一度つければ
その方向に実態を近づけようと
努力しますから問題ありません。


そうして自分を表す
キャッチコピーを考えついたら、
つねづね唱えて相手に思い出して
もらえる存在になりましょう。

プロフィールの目立つ場所にも
しっかりと掲げておいてください。

SNSというのはたくさんの人が
通りがかっていきますから、
誰かしらがあなたのコピーに
ピクッとくる可能性があります。

逆に、
それを掲げておかないと素通りです。

はっきり言って
MSPづくりは一朝一夕で
できるものではありません。

数ヶ月くらい平気でかかります。

私もコンサル先企業のMSPを
それくらいの時間をかけて見出します。

何かと動きの早いいまの時代、
すぐに出来ないものに対して
もどかしさを感じるかもしれませんが、

だからこそ多くの人は
これに取り組まないまま、
何か差別化できることはないかと
あっちへ行ったりこっちへ行ったりします。

現代ではMSPの有無こそが
大きな購買決定要因に
なっているにもかかわらずです。

であるならば、
あなたはライバルが
無駄な動きをしている間に
せっせとMSPづくりに取り組み、

あなたとお付き合いしたいお客さんと
出会える準備を着々と進めておきましょう。


MSPを生み出したとき、
100%体現している必要はありません。

漫画の主人公のように
そこに向かっていけばいいのです。

目指し、目指し続ける
そのプロセスが人を勇気づけますから。

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