見出し画像

Simon & Garfunkel / Wednesday Morning, 3 A.M. (1964)

60年代から活動する世界で最も有名なフォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクルのデビュー作。

ボブ・ディランを見出したトム・ウィルソンにプロデュースされた本作は、ポール・サイモンによるオリジナル5曲とディランやトラディショナル・ソングなどのカヴァー7曲に、清廉で真摯な彼らの音楽性が純粋な形で収められている。

フォーク・ギターを繊細に軽やかに弾き、朴訥と歌うサイモンと、”天使の歌声”とも称されたアート・ガーファンクルが織り成す哀愁と寂寥感を帯びた儚くも美しいハーモニーが、未だ無自覚なままに清らかに響く。

のちにトム・ウィルソンが”加工”して大ヒットした彼らの代表曲”The Sound Of Silence”の初期ヴァージョンや、2人の原点となったディラン調の"He Was My Brother"、寂しげな詩情が香る"Bleecker Street"や"Sparrow"、そして最後を飾る表題曲「水曜の朝、午前3時」と、文学的な語り口に叙情を宿したサイモンのオリジナル曲には、すでに彼のソングライターとしての才能がしっかりと刻まれている。




水曜の朝、午前3時。
にはさすがに書けなかったが、とりあえず水曜日の朝にこのアルバムを。

タイトルやロゴのセンスもジャケットの雰囲気も曲の出来の良さも、さすがはサイモン&ガーファンクル。すでに堂に入っている。

大名曲「サウンド・オブ・サイレンス」は、本作のオリジナル・アコースティック・ヴァージョンもまた、冷気のように張り詰めた空気感の中に美しく繊細な詩情が感じられて実に素晴らしい。

いいなと思ったら応援しよう!