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(‘82) Orange Juice / You Can’t Hide Your Love Forever

スコットランドはグラスゴーから出てきたオレンジ・ジュースのデビュー・アルバム。パンクの震源から遠く離れたグラスゴーで、ポスト・パンクとノーザン・ソウルが入り混ざり独自の作風が生まれた。

純粋なようで捻くれたギター・ポップにファンクやソウルの芳醇な香りがまぶされ、ビター・スウィートな響きを生んでいる(この苦みが重要)。エドウィン・コリンズの淡々と、時に朗々と歌い上げるようなスタイルも独特な魅力を放ち、捻くれ者感、変わり者感が溢れ出していて最高。

捻くれているのにエヴァーグリーンなポップ・ソングを吐き出し、それは40年が経った今でも新鮮な輝きを放ち続けている。お馴染みのイルカのアートワークも瑞々しいサウンドを端的に表しつつ、どこかシュールで、実にエドウィンらしいアート・センス。


日本人の好きな音だよねオレンジ・ジュース。本作は特に。いわゆる「ネオ・アコ」の代表格とされている。この”キラメキ感”はたしかに抗いがたい魅力。でもふくよかなソウルとかファンクとかもしっかりと取り入れることで薄っぺらくならず奥行きがあるし、エドウィンの声も穏やかなものではなくちょっと演技がかっていて飄々とした感じで、斜に構えてるのがツボ。個人的にはオレンジ・ジュースはこれ1枚だけで充分。

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