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Chance The Rapper / 10 Day

自作曲を全て無料配信し、レーベルに所属せず「音楽を売らない」スタンスで、音源を販売しないまま、グラミー賞まで獲得したシカゴ出身の新進気鋭のラッパー、チャンス・ザ・ラッパー(本名:チャンセラー・ベネット)が最初に発表したミックステープ。
タイトルは高校時代にマリファナの使用で「10日間」停学になったときに作られたことに由来している。

日本でいう高校1年からインスト主体のヒップホップ・ユニットを組んでいたというチャンスが18~19歳頃に作った本作には、意外に(?)メロディアスでメランコリックな楽曲が多い。
ベイルートの曲をフィーチャーするなど、インディ・ロックにも目配せした彼のポップ・センスは秀逸。

ラップ・スタイルは重みこそないが、しゃがれた声にはクセと鋭さがあり、曲の鮮やかな展開と流れも含め才能の大きさを感じさせる。
フレッシュでエッジーな新星の登場。



チャンス・ザ・ラッパーは2010年代のヒップホップ・アーティストの中でもフェイヴァリットの一人。ケンドリック・ラマーももちろん凄いけど、チャンスのポップ・センスはかなりのもの。
初期からメロウさが漂い、メロディ重視な感じもあって、ロック好きへのアプローチも充分。
※ヒップホップとしての専門的な部分は何一つわからないので語りません。

音楽作品(に限らずあらゆる表現作品)には相応の対価を払う、というのが僕の信念なんだけど、チャンスとかフランク・オーシャンあたりが良質な作品をミックステープとして無料配信していると、嫌でも(喜んでもいるけれど…)タダで楽しむことになる。
チャンスのミックステープ3作品はどれも秀逸な出来で、歌詞は分からなくとも、音だけで存分に楽しめる。
僕が求めるメロディ/メランコリー/ロマンティシズムがある。

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