見出し画像

The White Stripes / De Stijl (2000)

1920年代オランダの芸術活動「デ・ステイル」(英語で言うところの"The Style")をタイトルにしたザ・ホワイト・ストライプスのセカンド・アルバムは、その活動を代表する建築家のヘリット・リートフェルトと、同じく20年代に活躍したブルーズ・シンガー/ギタリストのブラインド・ウィリー・マクテルに捧げられている。

内容はファースト同様のブルーズ/ガレージ・ロック路線にあるが、加えて戦前のブルーズ/カントリーを承継した、ルーツ音楽に根差した音も追求しており、ジャック・ホワイトの伝統音楽への愛と造詣の深さが前面に出ている。

ハーモニカやヴァイオリン、ピアノも取り入れつつ、根幹はジャックのヴォーカル/ギター、メグのドラムスの「三原則」であることは変わらない。
印象的なギター・リフ(ジミー・ペイジばりに強烈で強靭)も増え、軽やかなアコースティックや哀愁のバラッドなど音楽性の幅も広げたレコードとなった。



ガレージ・ロック・リヴァイヴァルの旗手と評されることの多いホワイト・ストライプスだが、そのガレージ・ロック面でのサウンドは1stの時点で確立されており、彼らのもう一つの側面である「ルーツに根差した多種多様な伝承音楽の再構築」は本作で開花したと思われる。
ハードにドライヴするギター・サウンドよりも、古き良きブルーズやカントリーの枯れた味わいにこそ彼らの真骨頂があるのかも・・・そう思わされるような、1stに続く2作連続の傑作。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?