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Buffalo Springfield / Buffalo Springfield (1966)

1960年代のフォーク・ロックをカントリーやリズム&ブルースと融合し、70年代のアメリカン・ロックへと昇華させるきっかけを生んだバッファロー・スプリングフィールドの偉大な功績は、スティーヴン・スティルス(とリッチー・フューレイ)がニール・ヤング(とブルース・パーマー)との運命的な再会を果たしたところから始まる。

やがて対立し崩壊していくバッファロー・スプリングフィールドにとって「唯一幸せだった時期」が刻まれているのがこのファースト・アルバム。

リッチーをリードに据えたスティーヴンとのツイン・ヴォーカル曲をメインにしつつも、白眉はスティーヴン主体のリズム&ブルース色強めの楽曲、そしてニール・ヤング作の5曲も全て良い。ニールの歌声はまだ不安定でリッチーにヴォーカルを譲ることも多いのだが、線の細い声やソングライティングの上手さ、詞の深みなど独特の世界観を確立しつつある。

巧みで総合力が高いスティーヴン・スティルス、異端の才能を持つニール・ヤング、軽やかで爽やかなリッチー・フューレイの三本柱に、ブルース・パーマーとデューイ・マーティンの実力派リズム隊が脇を固める。
3人のソングライターが火花を散らす直前の引き締まった空気と良質なハーモニー。その先進性で時代の先を行った彼らだが、50年以上の時を経た現在でも心を震わす普遍性を持ちあわせていたことは言うまでもない。

いやしかし、僕はニール・ヤングが好きなのだと思い知らされた。このアルバムで特に心に刺さったのは全てヤング作。流石です。



バッファロー・スプリングフィールドは1970年代のアメリカン・ロックのプロトタイプともいえる音楽性を確立した重要なバンドであり、さらには稀代のシンガー・ソングライター、ニール・ヤングを輩出した意味でも意義深い存在。
僕は上にも書いたとおり、本作収録曲の中で「これは良い」と思った曲は悉くニール・ヤング作だったくらい、彼の書くメロディが遺伝子レヴェルで好きなのだろう。
でも当時はスティルス&フューレイの方が名実ともに上の評価だったようで、ヤングが書いてもメインで歌わせてもらえない状況(たしかに当時にしては声の線が細すぎるかもしれないが)だった。スティルスはたしかに完成度の高さを示しているように思う。
それでも僕はヤングがメインで歌うパートの”揺らぎ”のようなものがたまらなく好き。あと③での鋭いギター・ソロも最高。

僕が持っているCDはモノVer.とステレオVer.を両方含む2in1なんだけど、やっぱりCDでもオリジナルのモノ録音の方が音圧と迫力が凄い、ように聴こえる。

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