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XTC / Go 2 (1978)

天才ポップ職人アンディ・パートリッジと相方のコリン・ムールディング率いるXTCのセカンド・アルバムは、デビュー作からわずか9ヶ月でのリリースとなった。

前作に続いてジョン・レッキーがプロデュースを手掛けた本作は、アンディが半数の6曲、コリンが4曲、そして奇天烈で印象的なキーボードを聴かせるバリー・アンドリュース(本作限りで脱退)が2曲を書き上げ、前作の基調であるニュー・ウェイヴ・サウンドにポップな味付けとダブの要素をプラスした、よりXTCらしい作風に仕上がっている。

ヒプノシスが担当したひねくれたっぷりの人を食ったようなアートワークが象徴するように、キンクスを筆頭とした英国伝統のシニカルさも大いに発揮している。
ブリットポップ期のブラーへと引き継がれる弾けるポップ感もあり、ブリティッシュ・ポップの継承者としてのXTCの音楽性の萌芽も感じられる。





XTCといえばアンディ・パートリッジの変態的ポップ・センスが最大の売りで、そこに比較的実直なスタイルの相棒コリン・ムールディングも加わり、捻くれたポップ・ソングを量産していく。

本作はもう一人の変態的ミュージシャンであるバリー・アンドリュースがいた時期だけに、彼の奇天烈なキーボードとアンディの素っ頓狂なヴォーカルがかけ合わさってぶっ飛んだ部分も多々見られる(ちなみに名前の出てきていないテリー・チェンバースもタメの効いたドラムスをで全体を支えている)。

2人の変態が共存することは難しく、結局バリーは本作を最後にバンドを去る。
そしてソングライティング面ではアンディ&コリンの競作を中心に、目覚ましい成長を遂げていく。

たぶんXTCのキャリアで一番地味なアルバムだが、発射台として重要な意味を持つのかもしれない。

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