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Sufjan Stevens / Enjoy Your Rabbit (2001)

インディ・フォークを代表するSSW、スフィアン・スティーヴンスのセカンド・アルバムは、まさかの全編インストによるエレクトロ作品。

中国の十二支をモチーフにした楽曲で構成され、少しだけチャイニーズな音階を入れつつも、全体的にはフリーキーなエレクトロ・サウンドが79分に渡って繰り広げられる野心的な大作で、スフィアンの音楽の実験的な面が強調されている。一方で時折挟み込まれる美しいメロディも印象的で、メロディ・メイカーとしての持ち味もさりげなく発揮。

2作目にしてこんなにアグレッシヴな作風に挑戦するあたり、さすがはUSインディの申し子。
この異色のインスト・コンセプト・アルバムにして、アヴァンギャルドで誇大妄想的な一大エレクトロ絵巻となった本作に続いて、彼は「アメリカ50州シリーズ」へと邁進していくことになる。



卯年の卯月。
だからってわけではないけど、タイトルに兎が入るこのアルバムを聴いている。
やりたい放題のようでいて、意外に丁寧に作りこまれている気もする。

前作と本作の2枚で自らの音楽性の幅を広げ根を張り、次作からの壮大なプロジェクト(頓挫してしまうけれど)へと向かう。その過程の自由な模索期間といったところか。

後半、テクノでびしびしと進んで行き、アンビエントで穏やかに着地する終わり方も良い。

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