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The Beatles / A Hard Day's Night (1964)

ザ・ビートルズのサード・アルバムにして初期の最高傑作。

1964年、アメリカ進出に成功したビートルズが、帰国後すぐに取り組んだ初主演映画「ハード・デイズ・ナイト」のサウンドトラックから派生した本作は、初の全曲オリジナル、さらにディスコグラフィ唯一の全曲レノン=マッカートニー名義となっている。

なんといっても全13曲中10曲をメインで手掛け、うち9曲でリード・ヴォーカル(1曲だけジョージ・ハリスンが担当)を務めたジョン・レノンの貢献が大きく、リーダー格としてバンドを先導する役割を大いに果たしている。

また、ポール・マッカートニーもリードをとる3曲を中心にさすがのソングライティングをみせている上に持ち前のリード・ベースも聴かせているし、本作から導入されたジョージの12弦ギターも、その後のロック史に影響を与えるサウンドを生み出している。そして映画ではリンゴ・スターを主役に据えることで、4人のバランスを取っている。

映画で使われたA面7曲に、アルバム用としてB面6曲を追加して瞬く間に出来上がった本作は、ライヴ・バンドとしてのビートルズのリアルな音を刻み、13曲でわずか30分の中に、ロックの”今”を詰め込んでいた。

1〜2作目のアルバムで培ってきたものをさらに進化させ、カヴァー曲の影響も自作曲に鮮やかに反映させ、ヴァラエティに富んだポップ・ソングを量産したビートルズ。やがてライヴから離れてソングライティングとレコーディングに没頭することになるだけに、ここでの疾走するライヴ感は重要な意義を持つ。




今日も忙しい日でした。お疲れ生でした。
心身ともに疲れたところに、還暦を迎えた「ハード・デイズ・ナイト」を。

ビートルズのアルバムでいちばんスピード感があるのが本作かも。
それでいて、ポップ・ソングとしての美しさと魅力もたっぷりの素敵なレコード。

映画でのヴィジュアル面での印象も含め、ビートルズの、ひいてはロックンロール・バンドのイメージを決定づけた作品といえる。

この時期のジョンはバンドの”棟梁”。
気骨と翳りのある歌声とメロディはたまらない。
13曲目はジョンが父との再会について歌ったものという説も。

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