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Bon Iver / Blood Bank (2009)

デビュー・アルバム後にリリースされた4曲入りのEP。
4曲ともファースト・アルバムの延長線上にボン・イヴェールことジャスティン・ヴァーノンの才能の広がりを感じさせる素晴らしい作品。

新世代の(インディ・)フォークを象徴するアーティストとしての魅力が詰まっている本作は、ジャケットの写真こそ雪に埋もれ閉ざされているが、楽曲の方は春に向かう時期のように少し暖かみを増している印象。

ストーリーテリングに重きを置いた①、小品的なまとまりで美しさを孕んだ②、ピアノの力強い音の連なりが印象的な③、そしてヴォコーダーを生声以上に生々しく使って孤独な魂の揺らぎを刻み、最後はゴスペルの如き荘厳さが響くエポック・メイキングな④(これがカニエ・ウエストやジェイムス・ブレイクに大きなインスピレーションを与えた)と、ジャスティン・ヴァーノンのシンガー・ソングライターとしてだけでなく、新しい音を生み出すクリエイターとしての可能性の広がりをも示した。

そして彼の孤独な音は、2年後に大いなる春を迎えることになる。




ここ数日の大雪で、窓の外はこのジャケ写の如く、雪が屋根やら電線やら室外機やらの上に大きく膨らんで重なっている(前にもおんなじようなことを書いた気がする…)。
そんな中、体調不良で迎える週末。
布団にくるまって眠っていると、じっとりと汗をかき、悪夢ばかりが続き、眠りから覚める。すぐに悪夢は感触だけを残しストーリーを失う。
新年が始まって20日。そして僕の人生の一つのフェーズが着実に終末へと向かっている。
その先のことはわからない。

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