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Aztec Camera / Knife (1984)

インディ・ポップ/ギター・ポップの名盤だったデビュー・アルバムの翌年にリリースされた2作目となる本作。ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーをプロデューサーに、元ジョセフ・Kで後にオレンジ・ジュースにも加入するマルコム・ロスをギタリストに迎えて制作された。

20代となったロディ・フレイムは前作のシンプルで真っ直ぐなギター・サウンドから、ソングライティング/ヴォーカル/ギター全てにおいて幅を広げている。全体的に前作よりもプロフェッショナルでスムースな音作りで、80年代風の音色が、空間を活かしつつ、瑞々しくも洗練された印象を与える。

メジャー・レーベル移籍とともに、アズテック・カメラの”ネオ・アコ”の季節は早くも終わりを告げ、ロディはここから様々な音楽性を探求していくことになる模様。



アズテック・カメラのファーストって未だに新鮮な輝きを放ち続ける稀有な名盤だよね。今年でちょうど40周年だけど、去年投稿済みだったので今回はセカンドを。

ノップラー効果なのだろう、ダイアー・ストレイツ的な洗練された音が適材適所に配置されていて”整備された”印象。
もちろんロディの天性のメロディ・センスは見事に発揮されていて、80年代風のウェルメイドなポップ・アルバムとしては逸品なのだけど、やはりデビュー作に詰まっていた素材の味が、やや加工され過ぎているきらいはある。

しかし、よく考えたみたら当時のロディは20歳になったばかりの若者。やってみたいことが色々あって、それが洗練された音であり、シンセなどの楽器であり、9分にも及ぶ楽曲だったのだろう。

10代のありったけの想いと創作意欲を注ぎ込んだ1作目から、20歳までのわずか1年の間に(ストックはあったかもしれないが)これだけの楽曲を一人で書き上げる才能は凄い。

ロディ・フレイム。この人もまた自分のメロディを持っている人なので、多少のサウンドの変化に惑わされない”聴かせるもの”が芯を貫く、激強のソングライターなのでした。

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